●信心ライブ
「合格祈願」
金光教放送センター
（ナレ）金光教の集会で行われた発表や講話などを録音で紹介する「信心ライブ」。
今日は、平成２６年５月に、金光教新宿教会の岸井茂先生が、都内の教会でお話しされた講話の一部をお聞き頂きます。
まもなく受験シーズンがやってきます。今日のお話は、受験の前日、教会へ合格祈願に訪れた中学生のお話です。
（音源）「明日試験なので合格出来るようにお願いします」と言う子が来ました。おじいさんに連れられて来られました。高校受験だったんですが、「明日受けるんですね。もし１年後に試験を受けるんだったら具体的に一つひとつおかげを受けていることを神様にお礼申し上げることから始めます」ということを言いました。
どういうことかというと、「勉強が出来るということ自体がありがたいことです。そして、先生がいたり、いろんなものが使えたりすることが素晴らしいと分かると、本当に嫌いな科目も含めてですが、勉強させて頂けることが、勉強してやるとか、しなくちゃなんないということではなくて、『ありがとう』という思いで勉強に取り組めます。本当に『ありがとう』と感謝が出来ると、得意科目が出来るだけではなく、不得意科目が出来るようになります」という話をしたんです。
すると彼は聞いていて、納得した顔をしました。どうしてか、分かった。それが本当だなって分かったんですね。で、「その話を今は出来ないんだけれど、緊急非常時にもお願いすることは出来ます。心して出来ますか？」と聞くと、「はい」と言ったので、「まず、最初にあなたは今おじいさんと一緒にお参りに来ています。君は一人で受験していないんです。お父さんやお母さんも兄弟も、みんなあなたが受かってほしいと祈りを掛けてくれている。思われているっていうことです。そして私もその仲間に入ります。あなたは一人で受けているのではなくて、多くの人たちから思いを寄せられてる。そして、その背後には、神様の願いや思いがある。だから、そのことにまず、『ありがとう』を言わなければだめです。本当に一人で、『ああ、やるんだ』じゃないということ。それが分かったら、『ありがとう』とお礼が言えるでしょうし、本気で言わなければいけません」ということを言いました。そして、「人は、放っておいたら大人になれません。愛されてないと、お世話を受けないと赤ちゃんは死にます。他の動物と違って、本当にお世話を頂かないと成長出来ません。だから今あなたがそこにいるということは、ずっと愛されてきたということを、心の底から感じて、ありがとうと言わなければいけません」と言いました。
で、試験の本番どうするか。まず、「神様これから、試験を受けさせて頂きます」と心の中でちゃんと祈る。「どうぞ問題の見間違いのないように、精いっぱい出来ますように」と祈る。そして、「始め」と言われたら、「始めます」と言って受験番号をちゃんと写して名前を書かせてもらって、問題を先に見させてもらいます。「全部見て、これが解けそうだなというところからやるんだよ。これは方法を言ってるんじゃないんだよ。そう聞こえるかもしれないけど、『神様どうぞさせて下さい。こういう風にやります。私はちゃんと一つずつやります。どうぞ神様ついていて下さい』と、これが神様にお願いしながらするということだよ」と言うと、少し分かった様子でした。
それで、「今日これから帰ったら、あなたが一番いいと思うことしてもいいけど、あなたが一番いいことをするというのは、試験の問題を読み返してもいいし、頭を楽にするために寝てもいいし、何をしてもいいけど、一つだけしてはいけないことがあります。何かというと、朝までお祈りしてはいけません」と言うと、「どうして」って顔をしていました。「それは本当にお祈りをしていることにならないから。嘘をついているのと同じだから」と言いました。「『何時間も神様にお祈りしてます』と言って勉強しなかったら、嘘をついているのと同じだとすぐ分かるでしょ」と。で、もし神様ということで心を向けるなら、夜眠れなくても、「横にならせて下さってありがとうございます」。朝が来たら一睡も出来なくたって、横にならせてもらうだけでも、「ありがとうございます」と言うこと。そして、「本当にありがとうと思って、本当にみんなの祈りを受けて、させてもらうという風になった時、ベストを尽くして神様がお立ち現れになるということです。神様と響き合うということです」ということを言いました。
（ナレ）彼は合格しました。そして先生は、この後も彼の立ち行きを願い続けています。
「何とか合格したい」という気持ちで受験の前日、「困った時の神頼み」に来た中学生でしたが、「困った」と思っている自分が既に、祈られている存在であり、多くのものにお世話になっているのだという、先生の言葉で目が覚めたのです。そして、感謝の心で全力を出し切って合格しました。
これは受験だけのことではありません。感謝の心に目覚めて、一つひとつ神様にお願いしながらさせて頂くことの大切さと、多くの人や、神様に願われ、祈られての自分であることを知って頂きたいと思います。
受験生の皆さん、合格をお祈りしています。