シリーズ「あなたへの手紙」第2回「死後の世界/趣味への理解」


●シリーズ「あなたへの手紙」
第2回「死後の世界/趣味への理解」

金光教放送センター


 おはようございます。九州の北部、福岡県筑豊地方にあります直方のおがた教会の藤本有輝ふじもとゆうきです。今日最初は、大分市に住む女子中学生ともみさんからです。

 「私は中学2年生です。最近、大好きだったおばあちゃんが死んでしまいました。小さいころは学校から帰ってくるといつも遊んでくれていたので、とても寂しいです。また自分もいつか死ぬんだと思うと怖くなります。私の友達は、『人は死んだら天国か地獄に行くんだ』と言ってますが、私にはよく分かりません。おばあちゃんは死んだ後どこに行ったんですか?」

 このようなご質問です。

 ともみさん、ありがとうございます。大好きなおばあ様が亡くなられて、さぞかし悲しくてつらい思いをされていることだと思います。
 そのおばあ様が亡くなられた後、どこに行ってしまわれたのかというお尋ねですが、正直なところ私にもよく分かりません。これは、金光教の教祖様も同じだったみたいですよ。
 昔の話ですが、教祖様のところにある方がお参りに来られました。そして教祖様に次のように質問したんです。「世間では死んだら地獄へ行くとか極楽へ行くとか、いろいろに申しますが、いったい人間は死んだ後どこへ行くのでしょうか?」。すると教祖様は、「私もまだ修行中で、死んだ後のことまでは分からないが、この世に生きて働いている間に、日々安心して正しい道さえ踏んでいれば、死んだ後のことは心配をしなくてもよい」と仰ったそうですよ。
 このやり取りを知った時、私は安心したんです。私もともみさんと同じように子どものころ、死ぬことを考えると恐ろしくなってね。恥ずかしい話ですが眠れなかったことがよくあったんです。
 でもね、考えてみると私たち人間には死んだ後のことはもちろん、明日のことさえ分からないんです。それなのに分かりもしない先々のことをあれこれ考えてしまうのも人間なんですね。分からないんであれば、先のことを心配したり、問題にしたり、迷ったりせず、今を一生懸命に生きていくことが大切なんだと思いますよ。
 ところで金光教には「生きている間も死んだ後も天と地はわが住みかである」という教えがあるんです。この教えから考えてみると、ともみさんのおばあ様はどこにも行っていないんだと私は思うんですよ。人は皆、死んでしまっても、生きている時と同じように、私たちを生かし育んでくれるこの天地の中にいるんです。
 おばあ様は死んでしまったので、あなたの目には見えませんよね。けれどおばあ様は、どこかかけ離れた別の世界に行ったのではなく、あなたと同じこの天地に包まれて、生きていた時と同じようにあなたのことをずっと見守り続けてくれていると思いますよ。
 だから、ともみさんもこれからずっとおばあ様のことを大切に思っていて下さい。そしておばあ様が喜んでくれるような人になって下さい。

 次は、長崎市にお住まいのやすおさん、35歳・男性の方からです。

 「私は趣味の社交ダンスを通して知り合った女性と結婚し、昨年子どもが産まれました。
 子どもが出来る前は、休日は夫婦で社交ダンスを楽しんでいましたが、妊娠後は自分だけで出掛けていました。妻も快く送り出してくれていたのですが、赤ちゃんが産まれてからは、出掛けようとすると、『休みの日ぐらい子どものことを見てよ』と文句ばかり言います。
 私のライフスタイルは、平日は仕事を頑張り、週末は趣味の社交ダンスを楽しむこと。長年やってきたことだけに、今更変えられません。妻も同じ趣味を持っているので理解して欲しいと思います。どうすれば妻を説得出来るでしょうか?」

 このようなご相談です。

 やすおさん、ありがとうございます。そうですか、夫婦で社交ダンスとは素敵なご趣味ですね。また、あなたが仕事と趣味を大切に取り組んでいることはよく分かりますよ。
 でも、奥様を説得することはとても難しいと思います。なぜなら、この相談内容からは、あなたの思いやりの心が感じられませんからね。奥様は平日どころか休日でさえも休むことなく家事と育児を懸命にされているはずです。同じ趣味を持っているなら、週末あなたを見送る際、きっと我慢をしているはずだとは思えませんか? その奥様の気持ちを理解し、更に子どもさんを夫婦2人で一緒に育てていくという気持ちが大事だと思いますよ。
 私には、奥様だけが親となり、あなたはまだ親に成り切れてないように感じます。もちろん、いきなり立派な親にはなれません。親子共に育っていくことが大切です。子どもさんも大きくなり手が離れていけば、また必ず夫婦揃って趣味を楽しめる日が来るはずです。
 私にも3人の子どもがいますが、一緒に出掛けたりするのは子どもが小学生まででした。中学生になると出掛けるのも友達同士となり、部活をしてると朝早くから夜遅くまで学校です。
 子どもと触れあう時間は、思ったより長くないんですよ。今はその貴重な時間なんだと思い、夫婦仲良く協力して、一生懸命子育てに、また親として育っていくことに励んでいって下さい。私も陰ながら応援しています。
 またよろしければ最寄りの教会でじっくりお話を聞かせて下さい。教会の先生が親身になってアドバイスをさせて頂きますよ。

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