●シリーズ「あなたへの手紙」
第1回「①教会の先生ってどんな人?/②亡き子」

金光教放送センター
皆さん、おはようございます。西に六甲の山を望む兵庫県尼崎市にあります、阪急塚口教会の古瀬真一と申します。どうぞよろしくお願い致します。
最初は、神戸市にお住まいの40代の会社員、トモさんから。
「いつも聞かせてもらっています。仕事で外回りをしている時、金光教の教会があるのに気が付きました。ラジオでは、心安らぐお話が多いので、一度教会に伺ってみようかと思います。金光教の教会では、どのような方がいらっしゃり、応対して下さるのでしょうか?」
このようなご質問です。
トモさん、いつもお聞き下さっているんですね。ご質問も、ありがとうございます。
早速ですが、教会で、皆さんに応対させて頂くのは、「金光教の教師」です。信者さんたちからは、「先生」と呼ばれていて、訪ねてこられた方のお話をお聞きしたり、神様にお願いしたりするのが役目です。
大抵、教会の先生は、家族と一緒にそれぞれの教会で暮らしていて、家族と力を合わせ、神様のご用に当たっています。私も、妻と子どもたち、そして、金光教教師である両親と共に、教会で暮らしているのですよ。皆さんに参拝して頂ける時間を、一応決めてはいますが、いざという時には、たとえ真夜中でも、皆さんのお話を伺う心構えで、いつも生活しています。
さて、その教会の先生たちはというと、実にバラエティ豊かなんです。教会ごとに、いろいろな先生がいます。男性も女性もいますし、若い人からお年寄りまで、年齢の幅も広いんです。例えば私は、建設コンサルタント会社で働いていましたが退職し、27歳の時に金光教教師になりました。大工さんや看護師さん、電車の運転手さんだった人、警察官や自衛官だった人など、いろいろな人がいます。
こんな風に、年齢も、仕事の経験も様々ですが、金光教の先生に共通していることがあります。それは、悩みや悲しみを抱えて苦しんでいる人を、放ってはおけないというところです。かつて自分の辛い胸の内を、教会の先生が、親身になって耳を傾けて聞いて下さり、神様に祈って下さった。教会で、静かにお祈りしているうちに、すっきりした気分になれた。そういう経験があるからこそ、苦しんでいる人に元気になって欲しい、絶対、助かって欲しいという強い願いがあるのです。
そんな願いを胸に、岡山県金光町にある金光教学院という養成所に入って、同じ志を持つ人たちと寝起きを共にして修行を積み、金光教の先生になるわけです。
トモさん、いつでも、お近くの教会の先生に、会いに行ってみて下さいね。
続いては、神奈川県の31歳、聡子さんからです。
「つらくて眠れないまま迎えた朝、偶然ラジオを聞きました。思い切ってお尋ねします。私は、たった一人の幼い子どもを不慮の事故で亡くしました。寂しくて、その寂しさをうずめるように次の子を出産したのです。でも、その子を見ていると、『あの子はこうだったな』『あの子は、あと何年何カ月で死んでしまったのだな』と、亡くなった子のことを思い出してしまいます。せっかく授かったのに、素直に喜べない私。子どもにも申し訳がなく、つらくて苦しいのです。どうしたらいいでしょうか?」
このようなお尋ねです。本当につらい中で、お尋ね下さったのですね。少しでも、聡子さんのつらさが和らぐようにと願いながら、お話させて頂きます。
聡子さんは、亡くなられたお子さんだけではなく、2人のお子さんの、優しくて、愛情たっぷりのお母さんなんだなあと思いました。そして、今、聡子さんを苦しめているものは、「再び悲しい出来事に遭ってしまうのではないか」と、2人目のお子さんを案じる、愛情あればこその不安や心配なのかもしれないと、そんな風にも思いました。
聡子さんが、亡くなられたお子さんのことを、いつも思い出してしまうのは、お子さんへの深い愛情の現れなのでしょう。成長していく2人目のお子さんを、しっかりと見守りながら、亡くなられたお子さんのことも、片時も忘れずにいらっしゃるのですから。
聡子さんの心に、いつも1人目のお子さんがおられる。私はそのことを、次のような金光教の教えに通じるなあと思うのです。
それは、「神様から授かった魂は生き通しである。体は死んでも、魂は、生き通しである」という教えです。
姿形は見えなくなっても、神様から授かったお子さんの魂は、いつも家族と一緒におられ、下のお子さんの成長も応援してくれている。そして、聡子さんが、毎日を掛け替えのない日として生きていくことが出来るように願っておられることだろうと信じています。
聡子さん、もしよろしかったら、一度金光教の教会の先生に、これまでのこと、今抱えている心配なこと、これから先のことなど、いろいろとお話しなさってみてはいかがでしょう。
私も、聡子さんのこと、そして、お2人のお子さんのことをずっと祈っています。
聡子さん、そして、最初にご質問下さったトモさん、ご質問、お悩みをお寄せいただき、ありがとうございました。