●信者さんのおはなし
「ニコニコ笑顔ができる人」
金光教放送センター
(ナレ)福岡県金光教直方教会にお参りする佐藤千香さん54才。ニコニコ笑顔が素敵な女性です。その笑顔からは想像できないような、生死に関わる大病を経験されています。
(佐藤)23才の頃に、転職を考えて、ハローワークに行きました。募集要項の中に、「ニコニコできる人」って書いてある会社があって、すぐ採用していただいて働き始めたんですけれども、お客さんにはとっても誠実に、従業員も大切にしてくださるところでした。
(ナレ)一年半ほど勤め、千香さんは結婚しました。誠実な人柄にひかれて結婚を決めたご主人は、金光教の信者さんでした。ご主人がお参りする直方教会で結婚式を挙げ、その後、千香さんも自然と教会へお参りするようになりました。
後になって分かったことですが、「ニコニコ笑顔」という言葉にひかれて働き出した会社は、実は、金光教の信者さんが経営する会社でした。ご主人と出会う前からすでに金光教と縁があり、大きな力に守られているように感じたと言います。
(佐藤)教会参拝させていただくたびに、先生の言葉一つひとつが、すごくすっとしみ込んで、涙が溢れてくるようなことが多かったのを覚えています。
(ナレ)ご主人と始めた整骨院で働きながらの新婚生活でしたが、ある時、頭がひどく痛むので、検査を受けたところ、右の鼻の中に腫瘍が見つかり、手術をしなければならなくなりました。不安もありましたが、出会いを通して、千香さんは大切なことに気づきます。
(佐藤)大学病院から来られている先生がいらっしゃって、偶然その先生と出会えたことで、初めて病気を見つけていただいたということになりました。
他の入院患者さんと友達になったりお話ししていくなかで、一人の方と知り合いました、その方は、脳腫瘍だったんですが、頭の奥の方にあったので手術ができないということで、私に、「佐藤さんは、手術で取れるから良かったね」と言ってくださって。「手術ができること自体がありがたいんだよ」ということを、神様が教えてくださっているんだなあと思いました。
大手術だったと思うんですが、教会の先生にお任せするように教えていただいたので、周りのスタッフの方や神様にお任せする気持ちで、安心して手術台に上がらせてもらいました。
(ナレ)手術は成功し、仕事にも復帰できました。ところが、その翌年、今度は、卵巣嚢腫が見つかったのです。けれども千香さんは、「どうして、また病気になったのだろう」とは思いませんでした。前回の手術と同様、手術は「できることがありがたい」ことであり、教会の先生や家族の祈りに守られていることを感じられたからでした。
仕事に子育てと、忙しくしていたある日、今度は、胃のあたりが激しく痛み、病院に行きました。
(佐藤)初期の胃がんだろうということで、大きな病院を紹介していただきました。不安だったんですけど、教会にお参りすると、先生が、「これから整骨院に来られる患者さんの痛みとか苦しみとかをあなたに分かってもらうために、神様がさせてくださるんだろう。何でも良いほうに良いほうに受け止めて手術を受けてください」、と言っていただいて。
それから、大きな病院に向かいまして、先生が、終始ニコニコ笑顔だったので、ちょっとほっとしてしまって、お任せしようって感じになりました。翌日、胃カメラの検査を受けたんですけど、検査をしてくださった先生が、これまた「99パーセント治りますよ」とおっしゃったので、「そんなに断言してもらったんなら大丈夫だ」と思えて、勇気をもらって乗り切ることができました。神様からの言葉だったのかなと思いますね。
不安な時は、インターネットで調べてみたりして、悪いところばかり自分で拾い上げてですね、勝手に心配を大きくしていただけで。
教会長先生がいつもおっしゃってる「心配する心で信心せよ」で手術していただく覚悟ができました。
(ナレ)胃を全摘する大手術でしたが、無事に成功し、順調に回復。お腹に大きな傷が残りましたが、千香さんは、その傷をみるたびに感謝の気持ちを思い出します。
(佐藤)先生方や、両親やきょうだいとか、周りの信者さんたちにもお祈り添えを頂いたし。皆さんへの感謝の気持ちとか、お世話になっていること、すぐ忘れてしまうので。それを忘れないように、体の中心に忘れないための大切なしるしを、神様が付けてくださったのかなと思います。
胃がんになる前は、自分自身が生活をまわしていくのがきつかったので、ニコニコが足りないし、子どもたちにもきついことを言ったり、怒ったりばっかりだったからですね。
教会長先生は、手術中ずっと祈ってくださってるし、私のために、家族でもない方がそんなことしてくださるなんて、びっくりしましたし、すごく心強いので、恩人ですね。やっぱり教会に来るとほっとしますね。ずっと私、祈られているんだなあと思うと、ありがたいですね。
ネガティブ思考な私にとっては、「心配する心で信心せよ」っていう教えは、魔法の言葉のような感じですね。
(ナレ)以前の千香さんは、不安がない時や、求められた時にはニコニコ笑顔ができる人でした。だから、不安な時やつらい時には、笑顔が作れない時がありました。しかし、教会にお参りし、心配を一人で抱え込むのではなく、心配する心をそのまま神様に預けることで、どんなことも乗り越えられると実感した千香さん。
いつしか、心からニコニコ笑顔ができる人になっていたのです。