●シリーズ「あなたへの手紙」
第5回「『金光』の意味／自分なんて必要ない」
金光教放送センター
おはようございます。
今日担当させて頂きます、兵庫県淡路島にある、志筑教会の地田治美です。
まず、この春大学生になった光司さんからの質問です。
「僕は無事志望校に進学がかない、春から一人暮らしを始め大学に通っています。駅へ向かう途中にある、『金』『光』『教』と書かれた看板が目に留まり気になっています。金光教だと知りましたが、僕の名前にも『光』という字があるせいで気になるのか、いつも目がいきます。『金光』の意味が知りたくなりました。教えてもらえますか？」
このような質問です。
光司さん、ご質問を頂きありがとうございます。志望校合格、そして進学おめでとうございます。新しい生活はいかがですか？ 慣れてきましたか？
さて、「金光」について、意味が知りたいということでしたね。
金光教は、「金光る」と書いて、「こんこう」と言います。光司さんの目に留まってうれしかったです。
光司さんと同じように金光教の看板を見たある人から、こんなことを言われたことがあるんですよ。その人は、「金」という字がお金と結び付いたみたいで、「金光教って、かねという字があるから、お金に執着する金の亡者を想像した」って。「でも金光教の信心をしている人はつつましいんだね。むしろ質素な印象に見える。全くの誤解だったね」なーんて言われました。
「金」はお金ではなく神様を表します。金光教では、神様のことを天地金乃神様とお呼びしています。その金乃神の「金」という字が、金光教の「金光る」の「金」になっているという訳なんです。永遠に輝きを失わない、世の中を明るく照らす神様です。
金光教の教祖様は、「明るい光の方へは誰でも寄ってくる。金光とは、世界中に天地金乃神の光を光らせて、おかげを受けさせるということである」と話されています。神様の光で光り輝く世界、神様の慈しみが満ちあふれる世界が思い浮かびますね。
光司さんの名前も、光司さんの周りの世界に光を光らせるという、すごくすてきな名前ですね。
私も、光り輝く神様のおかげを頂いて、キラキラ輝くような明るい心で過ごせたらいいなと思っています。
光司さん、初めての一人暮らしですね。大変なこともあると思いますが、経験はきっと後から役に立ちますから、体に気を付けて頑張って下さいね。もし、悩みや問題を抱えた時は、ぜひ看板が目に留まった教会へ行ってみて下さい。先生が親身になって話を聞いてくれますよ。
名前のようにキラキラ輝く大学生活を過ごされますよう願っています。
続いては、２０代の女性、レイカさんのお悩みです。
「私は中学生の時にいじめに遭い、怖くて人と関われません。仕事も何をしても続かず、恋愛も出来ません。自分なりに色々努力してみたのですが、何も変わりません。自分なんかこの世に必要無いのではないかと思うことがあります」
このようなお悩みです。
レイカさん、つらい経験をされ苦しい思いの中、勇気を出して相談して下さいましたね。レイカさんは今、誰も人を信用できなくて孤独を感じているのではないかと察します。人と関われない、恋愛も出来ない、つらいですよね。
私の友人の娘さんも、中学生の時いじめに遭った経験があって、ちょうどレイカさんと同じ年頃だなあと思い出しました。彼女はある人から、「階段を一段一段上がっていくように、一つひとつ進んで行ったらいいんだよ」と言われ、その言葉が心に響き、背中を押されたそうです。彼女は中学校を卒業して定時制高校に進んで、高校時代からアルバイトをしていたホームセンターで今も働いています。陰の店長と言われる程になりました。「今日一日頑張ってみよう、今日一日、今日一日」と思いながら、１０年近く過ごせてきたと言います。ちなみに、今彼氏はいないそうです。
神様のお話をさせて下さいね。神様は、人間のことを「いとし子」、「可愛い子ども」と思って下さっています。信心しているとか、していないとか関係ありません。レイカさんのことも、掛け替えのない我が子として、どこにいてもどんな時も見守って下さり、大切に思って下さっています。神様は、命を授けた親として、私たちのことをいつも、「幸せになってもらいたい」と、願って下さっているんですよ。
そして人は人と支え合って生きています。レイカさんがいてくれることが喜びであり、支えになっているという人が必ずいます。自分はこの世に必要無い…なんてことは決してありません。少なくとも私は、レイカさんに相談して頂けてありがたいですし、レイカさんが幸せであってくれることを願っていますから、レイカさんは独りぼっちじゃないんです。レイカさん、あなたはこの世に必要な人なんですよ。
このお返事でレイカさんの心が少しでも和らいで、希望が持てる切っ掛けになったならうれしいです。レイカさんが今日の一歩を踏み出せますよう、私も願わせてもらいますね。