●シリーズ「あなたへの手紙」
第2回「①お願いをしてはいけない?/②娘一家を助けて!」
金光教放送センター
おはようございます。兵庫県出石教会の大林誠です。
今日はまず、大阪の大学に通っている20歳の女性から頂いたご質問です。
「私は山口県の出身ですが、今は大阪の大学に通っています。私は別に信仰をしているという自覚はないのですが、幼い頃から神棚や仏壇に毎日手を合わせてきたので、大阪に来た今も、大学の近くの神社の前を通る度に、ちょっと立ち寄って、色んなことをお願いするのが習慣になっています。ところが私の友達は、「神様には、お礼を言うならともかく、あまりお願いはしてはいけないと思う。ましてあなたのように小さなことまでお願いするなんて厚かましいことだ」と言うのです。私は厚かましいのでしょうか。金光教ではどう考えますか」
こういうお尋ねです。
なるほどねえ。神様にお願いするのは厚かましい、ですか。あなたのお友達は、何か信仰を持っておられるんでしょうか。私たちは神様から計り知れない恩恵を頂いているのに、その上に願い事をするなんて、そんなことしたら神様に不足を言うようなものじゃないかと、まあそういうふうにお考えなのかも知れませんね。
確かに、人間同士でもそうですよね。例えばですよ、上等のお菓子を誰かが下さった。その時にですね、「これ15個入りの箱ですか。20個入りの方がよかったなあ。あと5個頂けませんかね」なんて言ったら、「そんな気に入らないなら全部返しなさい」ということになりかねないでしょ。ましてや神様は、私たちの命も体も、何もかも与えて下さっているわけですから、その神様に対して、もっと下さいだなんて言える立場ではないかもしれませんね。
でもね、そういうおこがましいことを許して下さっているのが神様なんです。それどころか、何でも願ってきなさいよと、むしろ喜んで受け止めて下さるのが神様なんです。
それはなぜか。親だからですよ。たまにお菓子を持って来てくれるだけのお客さんではないんです。
親であれば、小さな子どもがいくら甘えてまとわりついても、腹を立てたりはしないでしょう。その反対に、よそよそしい態度でそっぽを向く子どもがいたら、それこそ胸が痛む。それが親の心です。
大学の近くの神社というのが、どういう神様かは分かりませんけれども、いつも親しく願ってくるあなたを、きっと娘みたいに思って下さっているに違いない。ですからね、もう厚かましいなんて思わずに、正直な思いをぶつけていかれたらいいと思うんです。
そのうちに、お友達が言われたように、お礼ばっかりになってくるかもしれないし、お願いの中身が変わってくるかもしれない。だけどそれは後のお楽しみです。とにかく神様に近寄らせてもらうことが肝心。金光教では、神様と仲良くするのが信心だと考えているんです。
次は、静岡県にお住まいの60代の女性から頂いたお悩みです。
「近所に住んでいる娘一家のことでご相談があります。先日、娘婿が単身赴任先でうつ病になって帰ってきました。娘は夫に付いて行かなかった自分のせいだと思い、懸命に世話をしていましたが、その間、子どもの方には気が回らなかったのか、小学4年生の孫娘が風邪をこじらせ、肺炎が1カ月以上も治りません。娘はすっかり落ち込んでしまい、私も娘一家の先行きが心配で夜も眠れません。娘たちを金光教で救ってやって下さい。教会にお参りさせたいと思いますが、どうすればよいでしょうか」
ああ、いろんな問題が一度に重なって、本当に大変ですね。体のことも、仕事のことも、これからどうなるんだろうかと、あなたが心配される、それは無理もないことだと思います。子どもが苦しんでいたら、親もやっぱりつらいですもんね。ですからこれは、娘さん一家だけの問題じゃない。親であるあなたも含めて、みんなで助かっていかなければならないことですね。
さらに言えば、この問題は、神様にとってもひと事ではないんですよ。先程も言いましたけれども、神様は私たち人間の親なんですから、あなたが娘さんたちのことで心を痛めているのと同じように、神様もやっぱり、親としてどうか助かってくれよと、願いを掛けて下さっているんです。
娘さんたちに参拝させたいというご相談ですが、どうでしょうね。まずあなた自身が参拝されてはいかがでしょうか。
金光教の教会は、全ての人に向けて開かれているんです。信者であるとかないとかも関係ない。人間はみんな、神様の可愛い子どもなんですから。
初めて参拝するからといって、別に何の準備も手続きも必要ありませんので、いつでも直接お参りされたらいいんですよ。
親元に帰るのに、「帰ってもいいですか」なんて断りませんよね。それと同じことです。「ただいま」というような気持ちで、教会に入って下さい。教会の先生は、あなたの悩みをじっくり聞いて、一緒に神様に祈って下さいます。そしてきっと、あなたが帰る頃には、来る前のザワザワした気持ちが消えて、心が元気になっていると思いますよ。そんな手応えを、ぜひ娘さんたちに話してあげて欲しいんです。そうすれば、娘さんたちも安心してお参り出来るんじゃないでしょうか。
また、例えお参りには至らなくても、母親であるあなたが、神様を信じてドシンと構えていられるようになったら、娘さん方にとって、あなたは力強い心のよりどころになるはずです。
ま、ほんの少し勇気がいるかも知れませんけどね、第一歩は、どうかあなた自身から踏み出してみて下さい。