シリーズ「あなたへの手紙」第2回「①戒律はある?/②更年期がつらい」


●シリーズ「あなたへの手紙」
第2回「①戒律はある?/②更年期がつらい」

金光教放送センター


 おはようございます。京都市の伏見にあります金光教墨染すみぞめ教会の松岡光一まつおかこういちです。
 兵庫県にお住まいの30代の男性から次のようなご質問を頂きました。

 「時々、この番組を聞くことがあって、いいお話だなあと思うことはあるんですが、でも、宗教というと、正直、ちょっと怖い感じもするんです。一度入信すると、抜けられなくなるとか、守らないといけない戒律があったりして、何か縛られるような感じがするのですが、金光教にも、そうした戒律や義務があったりするのでしょうか?」
 
 このようなお尋ねを頂きました。

 宗教に対して、ちょっと怖い感じがするという、正直なお気持ちを聞かせていただいたように思います。戒律によって、縛られるのではないか、そんな心配をお持ちのようですが、確かに、宗教によっては、「お酒を飲んではいけない」とか、「肉を食べてはいけない」とか、「肌を見せてはいけない」という戒律があったりしますし、それをはたから見ていますと、とても窮屈に見えるかもしれません。でも一方で、そうした戒律を守るということは、ついつい勝手気ままになってしまい、知らず知らずのうちに道を誤ってしまうところを、事前に食い止め、生き方を整えてくれる、そういう面もあると思うんですね。
 そうとして、金光教には、戒律があるのかというお尋ねですけれども、人の生活をある意味で縛るような戒律は、金光教にはありませんし、入信することで課せられる義務のようなものもありません。
 それは、金光教の神様が、私たち人間を始め、天地のあらゆる命を生かし、育んで下さる神様だということに、深く関わっていると思います。一つひとつの命が、本当に生き生きとした働きを現すように、願って下さり、働き続けて下さっている神様なんです。
 金光教には、こんな教えもあるんです。「彼岸餅などをこしらえる時に、子どもがそばで、くれ、くれと言うのを、神に供える前はいけないと言って頭をたたいたりしては、神は喜ばない。先に子どもにやって喜ばせておいて、それから神に供えてくれれば神は喜ぶ」。
 どうでしょうか。ちょっと、ほっとする教えだと思いませんか。神様を大切にしようと考えるあまり、まずは神様にお供えしてからでないとダメだと、かたくなになっては、そばにいる子どもは悲しい思いをします。神様は後でもいい。欲しがる子どもをまず喜ばせて、とおっしゃる、そんなおおらかな神様なんです。
 ですから、もし、お近くに金光教の教会があるようでしたら、どうぞ安心してお参りしていただければと思います。入会金を取るようなこともありませんし、お参りするのも、しないのも、自由な宗教ですから、どうぞご安心下さい。

 では次に、三重県にお住まいの50代の女性からのお尋ねです。
 
 「私は、更年期障害で何年も病院に通っているのですが、体調の変化が激しく、つらくてたまらないのです。何とかならないでしょうか?」
 
 このようなお便りを頂きました。

 「体調の変化が激しく、つらくてたまらない」とありますが、体の調子が優れないと、生活の全てがつらくて、苦しいものになりますし、それが何年も続いておられるのですから、本当におつらい毎日なんだと思います。
 そんな中、こうしてお手紙を下さった訳ですから、少しでもお役に立てるお話が出来ればいいのですが、少し聞いていただけますでしょうか。
 これは、私が奉仕する教会にお参りになっている70代の女性の話なんですが、数年前に、自転車でこけて左ひざを複雑骨折され、21針も縫う大けがをした方があるんです。その方がけがをされた時のことですが、病院から教会に電話を掛けてこられました。その時に話された、その言葉が、今も私の中に印象深く残っているんです。その方は、こんな風におっしゃいました。
 「実は、自転車でこけて骨折してしまい、病院に運ばれたんです。でも、こけた時に、歩道側に倒れたので助かりました。もし、車道側に倒れていたら、もっと大変なことになっていました。良かったです。それにちょうど、倒れている時に知り合いの方が通り掛かって下さり、救急車を呼んで下さったので、助かりました。また運んで頂いた病院も、自宅の近くの病院でしたから、本当に良かったです」と、おっしゃったんです。
 大きなけがをして、これから先、どうなるか不安もいっぱいあるような時に、「このことが良かった。このことも良かった」と、喜びの言葉を次々と話されたんです。私は、その電話を聞きながら、何てすごい方なんだと思いました。つらい苦しいことの中にも、喜びを見つけていかれる。なかなかすぐに出来ることではないかもしれませんが、私も、この方のような生き方がしたい、そんな心を育みたいと思いました。
 更年期障害で、毎日、おつらいことと思いますが、その中で一つでも喜べることがあれば、そこを捉えて喜んでいく。一つでも喜べることを見つけていく。そういう生き方の中から、苦しみを乗り越える力がわいてくるのではないでしょうか。
 ここからお体が少しでもお楽になられますよう、お祈り申し上げます。

タイトルとURLをコピーしました