シリーズ「あなたへの手紙」第3回「①金光教にパワースポットは?/②転職したい」


●シリーズ「あなたへの手紙」
第3回「①金光教にパワースポットは?/②転職したい」

金光教放送センター


 おはようございます。三重県は松阪市まつさかし、そう、あのおいしい牛肉で有名な所です。その松阪にあります、金光教松阪新町まつさかしんまち教会の水野照雄みずのてるおです。
 今日最初のご質問は、愛知県にお住まいの25歳の女性、アキコさんからです。

 「金光教には、パワースポットはありますか?」
 
 このようなお尋ねです。

 ありがとうございます。パワースポットですか。アキコさんも、お隣の愛知県ですから、よくご存じのことと思いますが、私の住んでいる三重県には、伊勢の神宮があります。去年は、20年に1度の式年遷宮せんぐうということで大変にぎわいましたが、ここは、「日本一のパワースポット」とも呼ばれているそうです。
 パワースポットというのは、「そこに行くだけで心が清められたり、癒やされたりするような、特別な力を秘めた場所」といったような意味だそうですが、神宮がこのように呼ばれるのは、何となく分かる気もします。樹齢何百年という立派な木々や、清らかな川の流れ、その場にいるだけで心洗われる、ということはあるだろうなと思います。
 では、金光教ではどうなのか、ということですが、まずは、「どこでもパワースポット」です、とお答えしたいと思います。
 金光教の教祖・金光大神こんこうだいじん様は、「神様のご神体は天地である」とも、「目には見えないが、神の中を分けて通っているようなものである」とも教えています。つまり、私たちが存在するこの天地、自然、この世界のどこにでも神様はおられるのだ、ということです。あそこには神様がおられるけれども、ここにはおられない、といったことではないのです。つまり、良い場所も悪い場所もないのです。
 よく占いなどで、「こちらの方角に引っ越してはいけない」とか、「旅行してはいけない」というのを耳にしますが、金光教では、そのようなことは言いません。それは、先ほどお話ししましたように、どこにだって神様はおられるのだから、どこかこちらだけが悪い方角ということもないのです。
 よく目を凝らし、耳を澄まし、五感を研ぎ澄ませば、お天気の移り変わりや、ちょっとした空気の動き、あるいは、人の言葉や働き、自分の心…。こちらの心の向け方次第で、どこにいても、いろんなものから神様のお働きを感じることが出来るのではないでしょうか。
 「神様のお働きを感じる」というと、ちょっと取っつきにくいかもしれません。言い換えてみますと、いろいろな事柄や、たくさんの人や物との関わりの中で、今、私が、ここに生きている、という実感。その不思議さを感じること、と言っても良いかもしれません。
 実は、今あなたのいる所。それが、「パワースポット」なのです。

 次は、44歳の男性。サカモトさんという方からです。

 「サラリーマン人生も折り返し地点を迎え、張り切っていたのですが、今年になって、これまでとは全く違う部署に変わることになりました。慣れないこと、初めてのことの連続で戸惑うことばかりです。人間関係のストレスもたまり、精神的にも肉体的にも、参ってしまいそうで、転職も考えています」
 
 このようなお悩みです。

 サカモトさん、ご相談ありがとうございます。仕事のストレス、毎日のことですから、おつらいですね。
 一昔前なら、「一度どこかの会社に就職したら、一生勤めあげるのが当たり前」だったのでしょうが、今は、そうでもなくなっているようですね。本当に毎日の仕事や人間関係がつらくて、それこそ、「参ってしまいそう」と言われるくらいでしたら、転職を考えられるのも無理はない、と思います。
 でもその前に、ちょっとお話をさせて下さいね。
 天職という言葉があります。一般的には、その人の性格や才能に合った仕事という意味で用いられるようですが、元々は文字通り、天の職業、天から授かった仕事という意味があるそうです。
 仕事って、会社のためにするのでしょうか、それとも自分のためにするのでしょうか? もちろん、そのどちらでもあるでしょう。でも、それだけではありません。社会の中の役割を担うとか、誰かの役に立つとか、そういったことがあるのだと思います。お仕事の種類や内容によっては、直接見えにくいかも知れないけれど、「ここで私が頑張ることで、どこかの誰かが喜んでくれる」ということがあるはずなんです。「天職」ということでいうと、「誰かを幸せにするために、天から授けられた役目や仕事」といってもいいかもしれません。
 こんな風に、仕事ということの意味を少し広く考えてみてはどうでしょうか。それで、前向きに取り組んでいけるようなら、今の職場でもうちょっと頑張れるのではないかと思います。
 それでもやっぱり、「参ってしまいそう」なら、その時は、迷うことはありません。サカモトさんによりふさわしい転職先を探しましょう。心が折れてしまったり、体を壊してしまったりしてからでは遅いのですから。
 サカモトさんが、この金光教のラジオにご相談下さったのも、何かのご縁だと思います。お近くの金光教の教会に参拝して、先生に思いの丈を話してみられてはどうでしょうか。金光教の教会ではいつでも、先生が親身になって悩みを聞いてくれます。きっと明日に向かうパワーが生まれると思いますよ。

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