●信心ライブ
「いつも心に神様を」
金光教放送センター
(ナレ)金光教の集会で行われた発表や講話などを録音で紹介する「信心ライブ」。
今日は、岡山県金光町にお住まいの金光紀子さんが、平成25年3月に福岡県で開催された集会でお話されたものをお聞き頂きます。
金光教本部にお勤めのご主人と、5人の子どもがいらっしゃる7人家族の紀子さん。子育てを通して感じている信心の大切なところをお話されました。
(音源)「信心の稽古はお礼の稽古」と言ってもよいかもしれません。ですので、親子でどんなささいなことでも、例えば、ティッシュ1枚取ってもらっても、必ず、「ありがとう」と言うように気をつけています。たまに子どもが、「ありがとう」と言い忘れることがありますが、そんな時にこっちが、「ありがとうは?」と言うと、なんかちょっと恩着せがましい響きになってしまって、どうも、ちょっと自分の中でなんか気持ちが良くないなあと思っていたんですけれども、ある時に、ああ別にこっちから、「ありがとう」って言わせてもらっても、やってあげた方から言ってもいいんだと思って、子どもが忘れていた時に、こっちから、「ありがとう」って言ってみたら、もう本当、予想以上にとても気持ちが良かったんですね。でも考えてみれば、もう子どもの存在自体が、「ありがとう」だと言ってもいいくらいのものだなと思って、何回言わせてもらっても言い過ぎということはないなあと思って、子どもが、「あっ、また言い忘れたぞ」と思ったら、こっちから、「ありがとう」と言ったら、ちょっと子どももビックリしたような顔をしながら、「ああ、ありがとう」と言って、慌てて言うような感じで、まあそれを根気強く続けていると、だんだん何かしてもらって黙っているのが気持ち悪いという感覚も芽生えてくるみたいで、お礼を言わせて頂くということも、なるべく小さいうちから習慣化することが大事なのかなというふうに思わせて頂いております。
次に、子どもに神様のことをどのように伝えさせて頂くかということです。これはとても大きくて難しい問題なんですけれども、我が家では、今日もあそこに一緒に来ている1歳の末っ子が、とても大きな役割を果たしてくれています。
例えば、ある時に、上の子どもが、1歳の子どもは育乃という名前なんですけど、「育乃が可愛くて可愛くてしょうがない」みたいなことを言いました。私は、今がチャンスと思って、すかさず、「そうよなあ、ホント可愛いよなあ。神様もこんな気持ちであなたたちのこと見て下さっとるんよ」っていうふうに言わせて頂きました。子どもの中に芽生えた、心の底からの可愛いと思う心、そういう心を通して親神様のみ心が少しでも分からせて頂けたらいいなあという思いからでした。
また、1歳くらいになってヨチヨチ歩き始めると、床の上の物につまずきそうになったり、テーブルの角で頭をぶつけそうになったり、とにかく危なっかしいです。そこで、上の子どもたちがせっせと障害物をどけてやったり、机の角にパッと自分の手をかぶせて、角に頭をぶつけないように、一生懸命気を配ってやっています。
もちろん1歳の子どもですから、そんな周りが一生懸命動いてくれていることなどは全然気にも止めずに自分はやりたいこと、好き勝手に動いているんですけれども、そういう時にも、上の子たちに、「神様もね、みんなのことをこんなふうに、きっと守って下さっているんだと思うよ。でも、育乃ちゃんは小さいから、全然気付いてないし、お礼も言わないけど、あんたたちは大きいんだから、神様にちゃんとお礼言わしてもらおうね」みたいな感じで言わせて頂いています。神様と言っても、遠い所におられるんじゃなくて、自分の心の中にもいて下さっているんだということに、子どもたちも少しずつ気付いてくれたらありがたいなと思っています。
また、子どもが赤ちゃんのころから、夜寝る前に神様に拝礼する時に、毎日お願いしている3つのことがあります。それは、「元気でお役に立つ人にならせて下さい」「良いご縁を頂かせて下さい」「世界のみんなが幸せになりますように」ということです。
最初の、「元気でお役に立つ人にならせて下さい」。これは、勉強でも運動でも習い事でも、自分のためだけにするんじゃなくて、神様のお役に立つ人にならせて頂くためにするんだということを忘れないためです。
2つ目の、「良いご縁を頂かせて下さい」。これは、人生の中でどんな友達や、どんな先生、どんなお婿さんやお嫁さん、どんな子孫に出会うかということは、自分の力だけではどうすることも出来ない、まさに神様のご領分ですけども、ご縁の善し悪しで人生が決まると言ってもよいほど大切なことなので、小さいうちからと言いますか、生まれる前から、「良いご縁を頂かせて下さい」ということもお願いさせて頂いています。
で、3つ目の、「世界のみんなが幸せになりますように」という、これは、教組様の、「総氏子身の上安全、世界真の平和」の祈りを、子どもにも分かり易い言葉にさせて頂いたものです。自分や家族だけではない、世界のみんなが神様の大切な子どもで、いろいろな難儀に直面されている世界の方のことを、幸せを祈らせて頂く、ということに取り組ませて頂いています。
(ナレ)紀子さんはお母さんから信心を受け継ぎました。お母さんの言葉やあり方から感じ取った、「このお道の信心ほどありがたいものはない」ということを、今度はご自身の子どもに伝えていきたい、そんな思いを持ちながら過ごしておられる、楽しくにぎやかな日常生活を披露して下さいました。
お礼の心を現すことは、神様に対して、人に対して、物に対して、日常生活の中にいくらでもあるんですね。
私も日常の中にたくさんあるはずの喜びに気付いて、お礼の稽古を重ね、自分の心の中の神様を輝かせ、現していきたいと思いました。