●シリーズ「あなたへの手紙」
第3回「コミュニケーション能力/被災地支援活動」
金光教放送センター
おはようございます。大阪府稗島教会の高島保です。
今日はまず、26歳になる男性からのお悩みです。
「入社して2年目になりますが、上司から、『君は、コミュニケーション能力が欠如しているよ』と言われて落ち込んでいます。人とどう接したら良いのか教えて下さい」
こういうお尋ねです。
最近は、一般社会のあらゆるところで、「コミュニケーション能力」という言葉が、過剰なくらい、よく使われるようになりましたね。企業や組織は、常に人と人との関わりの中で成り立っているので、苦手なタイプの人とのコミュニケーションも避けて通るわけにはいかないですよね。
私も以前、勤めていた会社の人間関係でいろいろと悩みました。参考になるかどうか分かりませんが、人との接し方で、私自身が気を付けてきたことをお話しします。
私はまず、自分からあいさつをするよう心掛けました。あいさつをすることから相手との関係が始まり、あいさつの仕方一つで、こちらの雰囲気が相手に伝わります。あいさつはコミュニケーションの第一歩です。
次に、上手に話そうと思わずに聞き上手になるよう、とにかく相手の話をしっかり聞くことを大事にしました。会話はよくキャッチボールに例えられますが、相手が投げたボールをきちんと受け止めてから投げ返すのが基本ですよね。
更に、苦手な人との接し方ですが、人との出会いやご縁というのは、人間の考えだけではどうすることも出来ません。
仮に、自分の目の前に苦手な人が現われたとしたら、それには理由があると思うんです。なぜなら、人は、苦手な人と出会うことによって、学び、大きく成長していくことが出来るからです。ですから、人生においては苦手な人も、自分が成長するためには必要な人になります。苦手な人には、ちょっと視点を変えてみて、相手の良いところを見付けてみてはいかがですか。きっと大きな変化を感じることが出来ると思います。
あいさつから始まって、会話の仕方、苦手な人との接し方など全て、人とのコミュニケーションで一番大事なことは、「相手を思いやる心」を持つことだと思うんですよね。この心は、人と人とを結び付ける大切な心で、神様が全ての人にお与えになっています。
自分本位にならず、相手を思いやる心で人と接していけば、お互いの関係はうまくいきます。
と言うのは、逆に相手が心から自分のことを思い、自分の幸せを願っていてくれたら、こちらがその相手に対して心を開いて接していきますよね。
心は目に見えませんけれど「相手を思いやる心」、このことを何よりも大切にしてみてはいかがですか。
もし、もっとお話を聞きたければ、金光教の教会を訪ねてみて下さい。今まで気付かなかった方向に心の向きを変えることが出来るかも知れません。
次は、神戸市にお住まいのラジオネーム・アイコさんからの質問です。
「以前、東日本大震災の被災地支援のために、社内で有志を募ってボランティアに参加しました。その時、金光教の方が被災地で支援活動をされたと聞きましたが、どのような活動をされたのですか?」
このような質問です。
アイコさんは被災地の復興を願い、被災された方々のお役に立ちたいという志のもと、ボランティアに参加されたんでしょうね。
金光教の信奉者も、「困っている人を助けたい」との思いで、全国から大勢のボランティアが被災地に駆け付けました。現在も、有志を募って自発的に復興支援活動を続けています。
震災直後の被災地では、金光教の教会を避難所として開放し、地域の被災者を受け入れて生活支援を行っていました。また、被災した教会の復旧活動を始め、地域の復興へとつながる救援物資の配布、炊き出し、被災した家の泥かきや、がれきの撤去など、被災者のニーズに応じた活動を行ってきました。最近では、被災者とボランティアとのつながりはもちろん、住民同士がつながれるイベントを開催しています。
私も震災直後に幾度となく被災地へ赴きました。私どもは、仮説住宅に入らずに、半壊した自宅などで避難生活を送る方の支援を中心に活動を続けてきました。なぜなら、自宅で避難生活を送る被災者は、自治体からの支援が行き届きにくいケースが多かったからです。
現在では、災害によるストレスを抱えた方の心に寄り添い、苦痛や悩みを真摯に受け止めて、話を聴く活動を行っています。また、長期化する避難生活を強いられての体調変化に気を配りながら訪問活動を続けています。
金光教の教祖様は「人間は皆、神様の子ども」であり「人が人を助けるのが人間である」と教えて下さっています。「神様の子ども」である人間同士が共に助け合うことが何よりも親である神様の願いでもあり、お喜びなのです。
被災地の完全復興はまだ道半ばの状態ですが「神様の子ども」として社会や人のお役に立てる、ふさわしい支援が出来ればと願っています。