願いの優先順位


●取次を頂いて
「願いの優先順位」

金光教放送センター


(ナレ)結婚してからも、バリバリと仕事をする女性にとって、仕事と家庭の両立は難しいものです。特に、妊娠の機会を得ることは、大きな課題になるようです。
 仕事や人生を支援するキャリアカウンセラーの入江優子いりえゆうこさん46歳も、結婚して10年余りは仕事一色の生活でした。

(入江)「やはりキャリアを追うと、家庭内での嫁としての役割みたいなものが、たいへんおろそかになりまして、家の中でも、合宿所みたいな暮らしなんですね。もう忙しくって、毎日がバタバタ。主人も商売を始めていましたし、ですから、お酒も浴びるほど皆さんと飲みましたし、全然自分の中の自覚というものが、ものすごく薄いんですね。でも一方で、やっぱり子どもは欲しい、授かりたいというところとのバランスがものすごく悪い時期がずっと続いていまして…」

(ナレ)43歳になって、ようやく専門医の診察を受けました。診断は、「妊娠出来る可能性が高い」というものでしたが、それでも入江さんは、なかなか仕事中心の生活を変えられませんでした。
 そんな中、普段からお参りしている大阪にある金光教道広みちひろ教会で、お取次とりつぎを受けました。お取次とは、教会の先生が参拝者の話をじっくりと聞いて、神様にお祈りをして下さり、教えに基づきながら話してくれることです。
 教会の先生は、「優先順位を決めることが大事ですよ」と言われました。

(入江)「とにかく一番大切にしなければならないことは何なの、となった時に、私の中ではたぶん仕事だったと思うんですね。でも優先順位を懐妊、赤ちゃんを授かりたいという方にいけば、絶対に優子ちゃんのその仕事も、いろんな今取り巻く環境も、整っていくから、そこを信じなさいって言われたんですね。そこを最優先すると、本当に、先方の都合で東京行きがなくなったりとかですね、先方の企業さんの都合で、その講師業が延期になったりですね。そういう不思議なことがものすごくあって、どんどんどんどんその自分の体を整える、家の中にいることができる環境が整っていったので、本当に神様が整えて下さっているんだなっていうことを、もう日々実感するしかないという感じでした」

(ナレ)そもそも入江さんと先生との出会いは、子どものころ教会のガールスカウトに参加したことがきっかけでした。

(入江)「小さなころに私の中で強烈に覚えているのは、『金光教というのは他の宗教の悪口を言わないんだよ、だから学校でも他の宗教の人と仲良くしようね』っておっしゃったんですね。私そのお話がものすごく大好きで、ですからお友達には、もちろんクリスチャンの方もいらっしゃいますし、もういろんな宗教の中でその人たちと共にというか、生かされているということに対しては、金光教ってすごいんだよ、みたいなことは、小さなころから思っていましたね」

(ナレ)それからは、人生の節目ごとにお取次を受けてきた入江さん。そのたびに先生は、大切なことを教えてくれました。ただ、「懐妊を最優先する」という決断は、仕事のスケジュールがびっしりと詰まった入江さんにとって大きな勇気がいりました。しかし、これまでお取次の確かさを実感してきただけに、覚悟を決めることが出来ました。すると、それからわずか3カ月後、妊娠していることが分かりました。そして、44歳の時、元気な可愛い女の子を出産することが出来たのです。

(入江)「うれしかったもうれしかったですけど、神様こんなに直近で、この短時間で、その自分に自然妊娠というようなおかげを下さるということに対して、まずはびっくりということの方が、私はそっちの方が大きかったですね」

(ナレ)入江さんは神様に心からお礼を申し上げました。こうして生まれた娘の桃夏ももかちゃんは、今、2歳になります。

(入江)「言葉はまだちょっとママとか、パパとか、あっちとか、こっちとかですけれども。ボタンが大好きで、パパが出掛ける時にボタン締めてあげたいんですけど、時間が掛かりすぎて、パパ出勤出来ないみたいな感じですね。ハハハ」

(ナレ)高齢出産ならではの悩みもありました。

(入江)「やっぱり若いママさんたちと公園でワーッといると、もう明らかに自分は相当年いっているわけで、これから10歳になったら20歳になったら私はいくつだろうってみたいなことを公園で思うことは多々最初のころはあったんですよね。そのころは自分の中で、自分自身を追い詰めていくんですが、ある時に、年齢って今さら下がることってなくて、今の今日が一番若いとなると、その日その日を神様から全力でおかげを頂く積み重ねでしかないっていう開き直りが、もう出来たので、ようやく立ち直りました。たぶん高齢出産のお母様方は、その辺のところは不安を抱えておられるんじゃないかなあと思います」

(ナレ)キャリアカウンセラーとして様々な方の相談を受ける入江さんですが、教会で先生にお取次を受けることが大きな安心感につながっています。

(入江)「自分の人生のことをご相談できる場所があるっていうのはすごいと思うんですよね。自分のことを聞いてくれるカウンセラーはいますけど、そこから先お祈りをしてくれるというのは金光教の醍醐味といいますか、話を聞いて下さったことをさらに神様に祈って下さるところがあるっていうのは、あの自分がカウンセラーだからこそ、その偉大さというか、すごさがよく分かると言いますか、ありがたさがよく分かりますよね」

(ナレ)人生には様々な局面があります。その時、大事なことはまず、優先順位をはっきりさせる。覚悟を決めれば、あとはひたすら神様にお願いして自分なりの努力をする。入江さんの体験は、そのことの大切さを私たちに教えてくれます。

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