●シリーズ「あなたへの手紙」
第4回「神棚と仏壇/家事を手伝うと妻が怒る」
金光教放送センター
皆さん、おはようございます。西に六甲山を望む、兵庫県尼崎市にあります、阪急塚口教会の古瀬真一と申します。どうぞよろしくお願い致します。
早速ですが、大阪府にお住まいの37歳男性、山田さんからのご質問です。
「私の実家には、両親が大事にしてきた神棚と、先祖の仏壇があります。先日、父が亡くなったのですが、ある人から、『神棚と仏壇を一緒に祭っていると、神様と仏様がけんかするから良くない』と言われ、気になっています。本当のところ、そんなことがあるのでしょうか?」
このような内容です。
山田さん、ご質問ありがとうございます。お父様が亡くなられたのですね。ふとした時にお父様の姿が思い浮かぶ、そんな日々を過ごしておられるのではないでしょうか。その最中に、神様、仏様を大切になさってこられたお父様の気持ちを否定されるような話を聞かれ、おつらかったことと思います。
私はこれまで、神様と仏様がけんかをするなんて、考えたこともありませんでした。神様も仏様も、人の幸せを願っておられるのですから、そんな暇があったら、みんなが助かるように働いて下さるに違いないと、ご質問を拝見し、そう思いました。
金光教の教祖は、ちょっとユーモラスな感じもする、こんな言葉を残しているんですよ。
「自分の産んだ子どもの中で、一人は僧侶になり、一人は神父になり、神主になり、また、役人になり、職人になりというように、色々になった時、親は、子どもの誰かが悪く言われて、うれしいと思うだろうか」「この神は、神道の身の上も仏教の身の上も、区別なしに守ってやる」
いかがでしょうか? 金光教の神様は、「全ての人は、神様の大切な、可愛い子どもなのだ。信仰に関わりなく、守っていくからなあ」と、広く包み込んで下さっているんですね。
山田さん、神様は、親が自分の子どもを慈しむように、「幸せにしてやりたい」と、ひたすら願い、守って下さっているんですから、安心して下さい。そして、神様、仏様を大切になさっておられたお父様のお心を受け継いで、これからも、心を尽くしてお祭りなさっていって下さいね。
もしそれでも、何か気に掛かることがおありでしたら、お近くの金光教の教会を、一度お訪ねになってみて下さい。
続いては、兵庫県にお住まいの会社員、博さんからのお悩みです。
「いつも、生きるヒントになる番組をありがとうございます。私は、33歳の2児の父親です。保育園のお世話にもなっていますが、子どもが小さいので手が掛かり、会社勤めをしている妻も、家では、家事に育児に大わらわです。『そんな妻の負担が少しでも軽くなれば…』との思いから、家にいる時には、私も家事を手伝うのですが、『それでは奇麗にならない』『使うつもりだったのに。片付けて欲しくなかった』などと、ダメ出しされてしまいます。喜んでくれるかと思って手伝うのに、このままではつら過ぎます。家族仲良く、気持ち良く暮らしたいのですが、どうすれば良いでしょうか」
このようなお悩みです。
博さん、いつもお聞き下さっているんですね。ありがとうございます。
奥さんのことを思って手伝うのに、逆に責められてしまっては、立つ瀬がないですよね。実は私も、似たような経験があるので、お気持ち、分かるような気がします。
私の場合、妻の言葉に腹を立ててしまい、「せっかく手伝っているのに…」と妻に言ってしまったんですよ。そうしたら、「そもそも『手伝う』っていうのが違っているんじゃない?」と、さらに厳しいひと言が返ってきました。でも、よくよく聞いてみたら、納得がいったんですね。
妻は、こう言うんです。「家事というのは、家族の暮らしを支えるために欠かすことが出来ない、大切な仕事でしょ。それなら担い合って取り組むのが、本当じゃないの?」
私は、その通りだと思いました。そして「手伝ってやった」と、恩着せがましい気持ちでいたことが、とても恥ずかしくなったんです。
こんなことがあって、私は、家事を「手伝う」ことをやめました。そして、自分も当然担うべきこととして、進んで体を動かすように努めているんです。
家事も、自分が生きるための大切な中身。そんな気持ちで家事に関わるようになって、変わってきたことがあります。それは、お皿を並べたり、片付けたりしながら、「今日も、食事を頂くことが出来ました。ありがとうございます。この食事で、ますます健康で、仲の良い家族にならせて下さい」というように、祈りが持てるようになったことです。
掃除しながら住居への感謝が出来、洗濯物を畳みながら、暑さ寒さをしのげる幸せを思うことが出来る。家事は、単なる作業の時間ではないんですね。暮らしに欠かせない仕事をしながら、細やかに家族のことを祈り、今ある幸せを感じる。そんな豊かな時間になりました。
よかったら、博さんも参考にしてみて下さい。家事を担い合いながら、夫が妻や子の、妻が夫や子の幸せを願いながら、暮らしていく。そうすることで仲良くすることができるのではないでしょうか。博さんのおうちが、そんな家庭になりますように…。
ご質問下さった山田さん、そして、お悩みをお聞かせ下さった博さん、今日はありがとうございました。