●信心ライブ
「いのち、大切にしていますか」

金光教放送センター
(ナレ)金光教の集会で行われた発表や講話などを録音で紹介する「信心ライブ」。
今日は、金光教静岡教会長の岩﨑道與さんが平成24年12月21日に静岡教会でお話されたものをお聞き頂きます。
(音源)先日あるご信者さんが、このお広前に初めてお参りをするという身内の方を連れて参拝をされました。その信者さんのご兄弟が今度大きな手術を受けるということで、それを心配したそのご家族、子どもさんを連れてのお参りでありました。手術の様子、病気の様子やどういう手術かということを聞かせてもらいまして。神様に手術の成功を一緒にご祈念させてもらう前に、お話をしばらく聞いて頂きました。
その初めてお参りした人にとっては、自分の親のいのちを守ってもらいたい、助けてもらいたいというお願いであります。「神様にいのちを助けて頂きたいと願う以上、あなた自身は、いのちを大切にしていますか?」と聞かせてもらいました。
子どもがですね。おもちゃを粗末にして、散々乱暴に扱っておもちゃが壊れた。「さあ壊れたからお母さん直して」って言っても、親としてみれば、「それは、あんたが、普段粗末に扱っているからでしょう」って、親だったらそう言うでしょう。「あなたの親がいのちを乱暴にしたとか、粗末にしたという、そういうことは言いませんけれども、ただ、その親のいのちの助かりを願うあなたとして、あなたは、いのちを大切にしてきましたか。自分のいのちを粗末にしておいて親のいのちを神様に助けて下さいとお願いする。それで果たして神様に通るかどうか、そう思うんです」とまあこういう話をしました。
どうです、「いのち、大切にしてきましたか?」。いきなりそう言われても分かりませんよね。
いのちを大切にするってどういうことか分かりますか。いのちを大切にするというのは、その私たちのいのちは、神様から頂いたいのち。そしてそのいのちは、神様にお守りお導き頂いているいのち。神様のお恵みによって生かされ ているいのち。じゃあそのいのちを大切にするというのは、神様のお恵みやみ働きや神様の思いを大切にするということに他ならない。
じゃああなたは、いのちにお礼をしたことがあるか。そのいのちを育む食べ物にお礼をしたことがあるか。そのいのちを調える大小便にお礼をしたことがあるか。息の抜き差し、体の一つひとつにお礼をしたことがありますか? それがいのちを大切にするということですが、どうです?
で、「これから親が大きな手術を受けるについてまだ2、3日ある。だったらぜひまずあなたが、今日ここで、親のいのちを助けて下さいと願ったそのあなたが、まずはこの手術までの2日間、3日間、あなた自身がいのちを大事にして下さい。そして、あなたの親のいのちも大事にして下さい。自分が朝、目が覚めたら、ああ『目が覚めた』と言って神様にお礼を言い、親が朝、目が覚めたら、『ああ、ありがとうございます』と親に代わってお礼を言い、食事を取ったら、『ありがとうございます』。親が一口でも食事が病室で頂けたら、『ありがとうございます』。そうやっていのちへのお礼をしていって、手術の日を迎えさせて頂きましょう。これなら出来そうですか?」
「出来ます」。
で、そういえばということで、その一緒にお参りをしたご信者さんがですね、小さい頃に、親から教わった食前訓は今でも覚えているそうです。
「食物はみな人のいのちのために天地の神の造り与えたまうものぞ。何を飲むにも食べるにも、ありがたくいただく心を忘れなよ」。正にその食前訓がいのちへのお礼ですよね。天地の神の造り与えたものを何を食うにも飲むにもありがたく頂く、その心を大事にさせてもらう。それすなわち、神様のお恵みを大切にすることであり、いのちを大切にすることなんです。そうであるのならば、その食前訓の最後にある「忘れなよ」ここが大事なんです。忘れなよ。 忘れてはならないよっていう。
でも、私たちはついつい忘れてしまう。どうしても忘れてしまう。忘れないためにどうしたらいいかっていったら、手を合わせるんです。食事の時、手を合わせる。
「じゃあ忘れないためにいのちを大切にするということを忘れないために、手を合わせることをそれに付け加えて下さい。天地のお働き、神様のみ働き、み恵みを忘れてしまう私たちだからこそ、忘れないために、いのちを大切にするために、手を合わせることを大事にさせてもらいましょう。これから2日間、3日間、ぜひそのことに取り組んでみて下さい」という、まあこういうお話をさせて頂きました。
(ナレ)「身近な人が病気になる。難しい手術をする」ということになると心配になり、さらに親しい間柄であればなおさら、出来るものなら代わってあげたいと思う気持ちになることがあるかもしれません。
そのつらさを代わってあげることは出来なくとも、代わりに、「いのちへお礼をする」、「忘れないように手を合わせる」というお話を聞き、その方は、一生懸命取り組みました。そして、手術は無事成功し、回復も順調だそうで す。
私も、試しに手を合わせてみました。いのちのお礼をしてみました。心が、ほ~っと温かくなるような気がします。心に希望の火が灯ったのでしょうか。