●シリーズ「あなたへの手紙」
第3回「あいさつしない隣人/ラジオ放送はいつから?」
金光教放送センター
おはようございます。金光教松阪新町教会の水野照雄です。お一人目は、香さん。35歳の女性のお悩みです。
「夫と幼稚園に通う息子との3人で暮らしています。隣には、一人暮らしの70代の女の人が住んでおられます。ある時から、私がその人にあいさつをしても、無視されるようになり、そのうち、他のご近所の方も、私を避けるようになってきました。何が原因か、全く分からず、夫に相談しても気にするなと言うばかりです。外に出ることも怖くなり、子どもを表で遊ばせてやることもできないような状態です。どうしたらよいでしょうか」
このようなお悩みです。
香さん、それは、おつらいですね。無視されたり、避けられたり。その上、幼い息子さんにまで、何か危害が及ぶような不安を感じておられるようで、何ともやりきれない思いがします。
まず、感じたのは、香さんがお一人で悩みを抱えてしまっているということです。ご主人に相談しても思ったような応えがない。家族や友人や、他の誰にも相談することができない。そうだとすれば、それは本当につらいと思います。でも、一人で抱えてしまってはいけないと思います。
きっともう何度も、ご主人にはお話しされているでしょうが、もう一度、ちゃんと聞いてもらってはいかがでしょうか。こんな問題に一人で立ち向かっていくのは、無理です。まずは、夫婦で問題を共有して、少なくとも、気持ちを通わせておくことが必要でしょう。
そのとき大切なのは、あんなことがあった、こんなことをされたという「事件」ではなくて、香さんのつらい気持ち、不安な思いを、ご主人に伝えることだと思います。
その上で、解決策を探っていくことになるのですが、カギとなるのは、やはり、その一人暮らしの70代の女性なのでしょうね。
香さんからは、その方がどのように見えていますか? 嫌な人、意地悪な人、うっとうしい人、怖い人…。そんな風に見えているのではないでしょうか。
でも、ちょっと見方を変えてみることはできませんか? ひょっとしたら、一人暮らしで寂しい人、あるいは、心に重荷を抱えた人なのかもしれません。若くて幸せそうな3人家族がまぶしいあまりに、ねたましく思ってしまっているのかもしれません。
もちろん、これは全部、想像です。でも、見方が変わると、何かが変わってくるということもあるかと思うのです。簡単なことだとは思いません。どうか、ご夫婦で絆を深めつつ、問題を乗り越えていくことができるよう、私も祈っています。
香さん、もしよろしければ、金光教の教会で、お悩みの続きをお話しになりませんか? 金光教本部にお問い合わせいただきましたら、お近くの教会をご案内します。
次は、原田さん、67歳、男性の方のご質問です。
「先日、偶然ラジオを聴いていて、金光教のラジオ放送を聴きました。いいお話をしているなと思いましたが、いつからやっていたんですか? ラジオ放送について、詳しく教えてください」
このようなお尋ねです。
原田さん、この朝早い時間に、ありがとうございます。
お尋ねの件ですが、金光教のラジオ放送は、まだ戦後の混乱期、昭和26年に始まっています。
日本で3番目の民放となる、大阪の朝日放送、今のABCラジオから、放送局を立ち上げるにあたって、「精神文化の向上のため、宗教番組を取り上げたい」という依頼がありました。つまり、「日本の人々の心が豊かになるような放送をしていきたい。そのために、宗教の内容をとりあげたい」ということだったのです。そして、その年の11月、朝日放送開局と同時に、この金光教の番組が始まりました。それ以来、今年で67年。現在、ニッポン放送、東海ラジオ放送、RKB毎日放送でも放送されています。
戦後の混乱から復興、高度成長期、バブルとその崩壊、そして、平成も、もう30年。そんな、日本の社会の移り変わりの中、ずっと放送を続けてきました。
今では、民放の全ての番組の中でも指折りの長寿番組になっています。ここまで続けられたのも、聴いてくださる皆さんのおかげです。
現在、放送しているのは、今日のような、質問やお悩みにお答えする番組、その他、ドラマや金光教の信心をしている人の体験談などです。これまでも、色々なものを制作してきていますが、その願いは、最初の頃から少しも変わりません。聴いてくださる皆さんの心が豊かになるように。そう願って、いつも放送をお届けしています。
ご質問くださった原田さん、そして、この放送を楽しみにして、早起きをしてチャンネルを合わせてくださった方、たまたま耳にしてくださった方。家事や仕事をしながらの方、今から仕事に出掛けられる方、逆に一仕事終えたところという方、寝付けないまま朝を迎えてしまった方もあるかもしれません。聴いてくださった全ての皆さんにお礼申し上げます。今朝の放送をお聴きくださってありがとうございました。そして、皆さんにとって今日が心豊かな一日でありますように、心からお祈りします。