●信心ライブ
「生きるのが楽になった」
金光教放送センター
(ナレ)おはようございます。
今日は、愛知県金光教豊川教会長の今泉明さんが、平成30年7月14日に、兵庫県西宮市フレンテホールで開かれた「金光教講演会」でお話しされたものをお聞きいただきます。
(音源)私の妻は、教会でピアノを教えております。以前、27歳の女性が、「ピアノを教えてください」と言ってきました。彼女は、3歳の女の子がいます。ですから、例えば、10時と決めておっても、多少遅れることがありますから、ということでした。
その通り、10分20分遅れてくることは当たり前、時には30分、時には1時間遅れて来ることもありました。習い始めて、半年経った時にですねえ、月曜日の朝の10時に教えることになっておりました。
10時になっても来ません。10時半になって、妻がメールを入れました。そうしましたら、返事がありました。「さっき起きたところ。11時になったら行けると思います」と。11時になっても来ません。11時半になって、メールを入れました。
「まだ用意が出来てません。昼ご飯を食べて、1時に行きます」と、メールがきたんですねえ。で、1時になっても来ない。1時半になって、またメールを入れました。
そうしましたら、2時ごろになってですね、返事がきました。「今、友達とランチ。3時には行けると思います」ということであります。
3時に待っておりました。でも、3時にも来ません。3時半になってメールを入れたんです。返事がない。今度は。
翌日も返事がありません。翌々日に、朝、「今日、朝10時に行きます」という返事ですねえ。メールには、「ごめんなさい」も何も書いていない。私ねえ、見せてもらましたけれども…。
で、朝10時にまた来ないんです。10時半になったら、妻がメールを入れた。私は、まずそんな対応出来ませんねえ。
そうしましたらねえ、「午前中、用事が出来ましたので、昼の1時に行きます」という返事でありました。
1時になっても来ないから、1時半になってメールを入れました。そうしましたら、返事がありました。
「まだ用事が終わってません。3時に行きます」ということです。
6回すっぽかしてますねえー。よくメールをするなあと。私ならほったらかしておくだろうと思うんですけれどもねえ…。
3時になっても来ません。結局、来たのは、3時25分であります。
彼女は、来てですねえ、「あっ、先生こんにちは。ピアノよろしくお願いしまーす」って、それだけですよ。「軽いなあー」と思いましたねえ。
でも、妻は、もっと軽かったです。
「ああ、よう来たねえー。じゃあ、しっかりやろうね」って、それだけです。そのままピアノの練習ですからねえ。一言ぐらい何かそのことについて言うかなと、私は思ってました。「よくあんなニコニコとした対応が出来るな」と思いました。
妻は、後で言いました。「私は、何年か前から、人のことはもう、絶対に責めないと決めたの。それから、人に嫌な顔だけは絶対にしないと決めたの。そうしたら、本当に楽になった。もう人を責めないと決めるとねえ、生きていくのがほんとに楽だよ」と。「あなたもそうしたら」って言われたですねえ。ちょっと私には、なかなか出来ないんですけれども…。
その後、さらに言ったですねえ。「人はみな神の子。みんな神様から、尊い神心を頂いておる。だから、その神心を信じて、祈り続け、そして、待ち続けていけば、必ずいつかは分かってくれる。それを楽しみに、私は、毎日毎日、祈り続けるの」と、こう言いました。
「えー」と思いましたねえ。「いつからそんな気持ちに変わったんだろうか?」と。かなり気の強い妻でありますからねえ…。私は、ほんとに、ご主人の顔が、一遍見てみたいなと思ったぐらいですねえ。自分の妻であるのに、そこまでなるのかと。
神様は、私たち一人ひとりの、至らないところ、出来ていないところをですね、「いつかは分かってくれる」「いつかは改まってくれる」と、信じて、広いご愛情の中で、包み込んでおってくださるのではないでしょうか。
7回目に来た彼女は、帰り際に初めて言いました。「先生、私ってひどいですね」と。「もうこれからは、2度とあんなことはしませんから」と。
それからはですね、一度もすっぽかすようなことはしませんでした。
(ナレ)いかがでしたか。
家の中でも仕事の場でも、つい相手を責める心が湧いて、思わず一言、言いたくなってしまうこと、言ってしまうことってありますよね。そのためにイライラが募ったり、人間関係がぎくしゃくしてしまったり…。すっきりした気持ちで過ごすのは難しいものです。
今日お聞きいただいた、「相手のことを信じて、人を責めることをやめたてみた。そうしたら、自分も相手も、生きるのが楽になった」というお話は、爽やかな心で暮らしていくための、すてきなヒントになりそうです。
神様から授かった今日の日を、うれしく、楽しく、ありがたく、大切に過ごせますように…。