●シリーズ「あなたへの手紙」
第4回「神様がいるならなぜ?/子どもをのびのび育てたい」
金光教放送センター
おはようございます。岡山県、邑久教会の小林眞、69歳です。よろしくお願いします。
最初は、名古屋にお住いの30代の男性、拓也さんから。
「本当に神様がいるのなら、なぜ天災が起こったり、事故で亡くなる人がいるのですか。金光教ではどう考えているのでしょう。」
このような質問です。
最近、地震や大雨による災害、多いですよね。交通事故も。出来れば誰も、災害や事故なんかに遭いたくない。でも、悲しいことに、いつもどこかで、災害や事故は起きています。
拓也さんは、「神様は全知全能のはず」、そう考えているのでしょうか? 神様はどこか、私たちとは離れた所にいて、どんなことでも自由にできて、私たちの生活を支配している、そんな感じでしょうか? だとしたら、拓也さんのような考えになるのは仕方がないのかもしれません。でも、金光教の神様は少し、いえ、大いに違うんです。
金光教では、「天地が生きているから、全ての生き物は生きていられる。明るく暖かい太陽の働き、恵みの雨、多くの物を育んでくれる大地。私たち人間だけではなく、生き物はみんな、その天地の生きた働きを受けて生活している、昔から変わらないその天地の姿、働きこそが神様そのもの、天地が生きているからこそ、私たちは生きていける」、そう教えられているんです。でも時に、残念ですが私たちの望まないことも起きてきます。
私の住んでいる岡山は災害が少ない県と言われていました。ところが去年、その岡山でも、天からの恵みであるはずの雨を受け切れず、悲しいことに多くの家が水没、多くの犠牲者が出てしまいました。
被災地に住む私の知人は、命だけは何とか助かったんですが、住んでいた家だけでなく、財産の全てを一夜にして失ってしまいました。気の毒で、私は掛ける言葉がありませんでした。
地震も同じです。どこでどんな大きな地震が起こるやら分かりません。 私たちの生活は拓也さんも知っての通り、実はずっと昔から地震や洪水など、災害を繰り返してきた歴史の上にあるんです。
それでも、例えどんなことが起こっても、神様はいつも私たちのすぐ傍にいて、私たち人間を生かそう、生かそうと働いてくださっているんです。でも、操り人形のように私たち人間を自由に操って支配するようなことはしません。ですから事故も起こってくるのでしょうね。私たちは、その神様の、「生かそう」、「助かってほしい」という願いをしっかり受けとめて、前を向いて生きていきたいものです。
拓也さん、もし神様のことがもっとお知りになりたかったら、遠慮なく近くの教会へ立ち寄ってみてください。
次は京都にお住いのシングルマザーさんから。
「私は30歳のシングルマザーです。本来なら小学校に上がる年齢の男の子が1人いるのですが、のびのび育てたいと言う教育方針で、学校に行かせていません。息子は明るく育っているのですが、周囲から色々言われ、今少し迷っています。」
こんなお悩みです。
お母さん、親にとって可愛い我が子が明るく育っている、これほどうれしいことはないですよね。
ところでお母さん、この内容だけでは詳しいことは分かりませんが、お子さんをのびのび育てたいという理由で学校に行かせていないそうですが、学校に行かせたくない、何かご事情がおありなんでしょうね。
お母さんは学校についてどのようなイメージをお持ちなんでしょう。ご承知のように、学校は、子どもが大きくなって、将来社会へ出た時、困ることがないよう準備するためにあるんですが、それはただ、読み書きの勉強をするだけでなく、集団生活を通して、人と人との関係を学べる場所でもあるんです。人間は決して一人では生きてはいけません。人のお世話になり、また人のお役に立ち、お互いに助け、助けられながら生きていくのが、人間の社会なんですから。
今、お子さんが何をして一日を過ごしているのか分かりませんが、いつか社会へ出ていく時がくるはずですから、それを考えると、少し心配になるんです。いざ社会へ出た時、ただのびのび育った、というだけでは、困ることが起きやしないかと。
金光教の教祖様は、もとはお百姓さんでした。そのこともあってか、子どものことを「若葉」と呼び、特に小さな子どもの成長を願っていました。植物でも、苗の時期が特に大事だということなんでしょうか。
お母さんも学校について少し迷っているそうですが、もしお子さんに、学校へ行ってみたいという素振りが少しでも見えたら、その時は思い切って、1回行かせてみてはどうでしょう。学校では煩わしいこともあるとは思いますが、その逆に、楽しいこともたくさんあると思いますよ。
学校へ行ってみて、それでも本人が行きたくないようなら、そこでまたどうするか考えてみる、というのはどうでしょうか。今は義務教育の代わりになるフリースクールなどもあるようですし、選択肢は色々あると思います。
どうぞお母さん、お子さん共々先々の助かりに繋がりますように、お祈りしています。