華麗なるダイビングキャッチ


●信心ライブ
 「華麗なるダイビングキャッチ」

金光教放送センター


(ナレ)おはようございます。
 今日は、山口県、下田したた教会の野中栄のなかさかえさんが、令和元年9月、広島県で行われた集会でお話しされたものをお聞きいただきます。
 一昨年の春、栄さんのご主人は網膜剥離もうまくはくりを患いました。手術によってどうにか無事に回復されましたが、安心したのもつかの間、今度は右肩を複雑骨折してしまいます。
 骨折した時、栄さん夫婦は、山口県内の教会の先生や信者さんたちが集まって行われたソフトボール大会に参加していました。栄さんは、その時ご主人に寄り添う中で感じたことをお話しされました。

(音源)楽しいソフトボール大会の時ですが、主人がピッチャーをしていて、バッターが打ったボールを張り切って取りにいくと、肩から地面に落ちてしまい、右肩複雑骨折。主人いわく、頭の中では華麗なるダイビングキャッチを描いていたそうですが、華麗なるダイビングキャッチをしていた時からすでに三十数年が経っていました。気持ちは10代だったらしいです。体は50代。正直ですね、体は。
 私が運転する車で、すぐ近くの病院で診察を受けました。私は廊下で待っていたのですが、待てど暮らせど主人が診察室から出てきません。主治医の先生の声は聞こえるんですが、けがとは別の話で、先生が「研修生がああだこうだ、言うこと聞かんで、ああだこうだ」と言ってるのが何となく聞こえてくるんですね。後で主人に聞きますと、診察していただいている先生の相談を聞いてあげていたらしく、骨折している大変な体なのに、親身になって聞いてあげている主人の優しい心に、私の心も温かくなりました。
 診察が終わり、私としてはせっかくのソフトボール大会を残念な雰囲気、台無しにしてしまったことが大変申し訳なく、それでも戻らなくちゃいけないと思って、主人を連れてソフトボール場に戻りますと、私たちが病院から戻ってくるのをずっと待っていてくれた教会の先生方、信者さんたちが心配そうに、また何事もなかったかように楽しい雰囲気で待っていてくれて、その優しいフォローが私の心に伝わり、思わず涙があふれそうになりました。
 また、「主人の骨折が、ここで、この場所でよかった。ありがたいな」と思いました。一緒にソフトボールに来ていた息子も、「みんな優しくて、良い方ばかりだね」と言ってくれたことに、私が褒められたわけではないのに、すごくうれしく、主人は大けがをしているのに、普通だったらショックに打ちひしがれ、どんより暗くなりがちですが、車の中は心配もなく、温かい雰囲気で包まれていました。これは、病院からソフトボール場に戻った時の、皆様の心の温かさを頂いたからなんだなって、後でしみじみ感じていました。
 9月5日、柳井の病院に入院、9月6日手術、山口県東部連合会の信奉者集会なので、私は神様と執刀医の先生にお任せして、信奉者集会に出席することにしました。集会の閉会式のあいさつをする前に、執刀医の先生から手術が無事に済んだ安心のお電話を頂き、ホッとしたのを今でも鮮明に覚えています。
 「ああ、どうして神様は、信心しているのに難儀を私に与えるんだろうか。お与えくださるのだろうか」と、信心が分からない時は、良くない出来事は全部誰かのせいにしたり、不平、不満ばかり口にして生活を私は送っていたような気がします。
 でも、信心を少しずつ教えていただいている私には、この1年間は喜びでいっぱいでした。なぜかと言いますと、今までに、主人にはいろいろと助けていただいていて、主人が大変な時こそ、私が手となり、足となり、力になり動かせていただいていることができるありがたさの方が勝っていたからでした。
 信心して心のお育てを頂きますと、自分の口から出る言葉が良くなってきて、言葉が良くなれば、周りの接していただける態度が良くなり、周りが良くなれば、自分も良くなる。神様を信心すれば周りが変わるのではなく、自分が神様のおかげで変わらせていただき、それを感じた周りがまた変わっていき、良い方への連鎖が生まれていくという、神様のおかげは無限につながっていくということを、身をもって感じております。


(ナレ)いかがでしたか?
 ご主人が骨折をされた大変な出来事でしたが、栄さん夫婦にとっては、周りの方々の温かい心をキャッチされたソフトボール大会だったようですね。
 信心していると、難儀なことは起こらず、良いことばかりがあると考えがちですが、信心していても嫌なことやつらいこと、難儀なことが身に起こってきます。ただ、信心には、難儀なことが起きても乗り越える力があります。栄さんも、信心しているからこそ、難儀なことに出遭った中にも喜びを見付け、ありがたい心持ちになれたのですね。
 栄さんは、「周りの人の協力があって自分も支えられ、生かされていることが分かってきました」と語っています。喜びに満ちた栄さんの生き方もまた、周りの人たちの心を和ませ、生きる力を与えているのだと感じました。

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