シリーズ「あなたへの手紙」第1回 「人付き合いが苦手/妻が分かってくれない」


シリーズ「あなたへの手紙」
第1回 「人付き合いが苦手/妻が分かってくれない」

金光教放送センター


 おはようございます。兵庫県・出石いずし教会の大林誠おおばやしまことです。
 神奈川県川崎市にお住まいの35歳の男性から、こんなご質問を頂きました。

 「私は、人付き合いが苦手なタイプで、昔から友だちがほとんどいません。もちろん彼女もできません。仕事はしていますが、達成感や充実感をあまり感じないまま、時間だけが流れていくようで、気が付くと中年になってしまいました。
 金光教の信心をすれば、生きる喜びとか幸せを感じることができるのでしょうか。私は、幸せになれるでしょうか?」

 こういうご質問です。

 あなたは、とても誠実な方なんですね。同じ仕事をするのでも、ただ食べるためというのではなくて、生きる意味を感じるような手応えがほしい。そう思って、ご自身の生き方を見つめ直そうとされているんですから。
 あなたはご自分を、内気で消極的で、人から好かれないタイプだと思っておられるようですが、でも実際、あなたの中には自分を変えたいという、こんなにも熱い思いがあり、こうして人に相談を持ち掛ける積極性もある。ですから、人付き合いが苦手だとか、彼女ができないなんて思い込まずに、もっと自信を持ってもいいんじゃないですか。35歳で中年だなんて、ちょっと早すぎですよ。これから恋が始まっても全然不思議じゃない年齢だと思いますよ。
 信心すれば、生きる喜びや幸せを感じることができるかというご質問でしたね。そりゃあ、できますとも。神様は、どうかみんな幸せになってくれよと願いを掛けてくださっているんですし、あなたもそうなりたいと願っているんですから、後は、その願いと願いが噛み合えばいいだけのことです。その両者を引き合わせ、噛み合わせる場所が、教会というところなんです。
 お近くに金光教の教会はないでしょうか。あったら、ぜひそこで信心する人たちに触れてみてください。その人たちこそ、信心による幸せの生きた実例です。
 私が奉仕している教会に、若い頃から年を取った今に至るまで、いろいろと苦労が続いている女性がお参りされています。でもその方は、「神様のおかげで、今日も元気に働かせていただけて、ありがたいです。それに、そんな気持ちにならせてもらえる教会があるということがまた、ありがたいんです」と、本当に幸せそうに仰るんです。
 この方は、世間から見れば、不幸な人ということになるのかもしれません。でも、幸せって、他人が決めるものではないですね。今の自分が生きていることの不思議さ、多くの人に支えられていることのありがたさに気付いて、心から感謝できる。それこそが幸せというものであり、私たちが本当に求めているものではないでしょうか。
 もし、教会に行くのが難しければ、たとえば隣近所の人とあいさつを交わすことからでもいいですから、少しずつ人との接点を増やしていく努力をしてみてはいかがでしょうか。
 あなたの探している幸せが、どうか見付かりますように。

 次は、岡山県にお住まいの52歳の男性のお悩みです。

 「自分は、若いつもりでいましたが、いつの間にか老眼になっていました。最近は肩や腰も痛み出し、つくづく年を取ったと感じます。
 それで妻に、自分の体調のことを分かってもらいたいと思って、『目が見えにくい』とか、『肩が痛くて、手が上がらない』とか伝えるのですが、妻は決まって、『あなたは口を開けば愚痴ばかり。聞かされる者の身になってよ!』と、私を責めるような言葉が返ってくるのです。
 私としては、妻が私の話を受け止めてくれさえすれば満足なんですが、なかなかうまくいきません。」

 こういうお悩みです。

 いやあ、分かります、分かります。私も体のあちこちにガタが来始めていますから。それに、その痛さや不便さは、元気な人には分かってもらえませんからねえ。ただ、幸いというべきか、私の妻も同じくらいガタガタですので、お互いに同病相憐れんでいるところです。
 あなたの奥さんは、若々しくてお元気なんでしょうね。でもそれも時間の問題で、そのうちあなたに追いついてこられますから、きっとお互いに分かり合い、支え合える日も来るでしょう。
 しかし、今として取り組めることもあると思いますよ。あなたが、「目が見えにくい」とか「肩が痛い」とか言う時に、あなた自身はただ事実を伝えているだけだと思っていても、奥さんの耳には愚痴として聞こえたというのは事実なんです。それはなぜなんでしょうか。もしかして普段から、何につけても不平を言いがちになってはいませんか。
 悪いことより良いことにしっかり目を向けて、たとえば痛いところを数える時には、少なくともその倍ぐらい痛くないところも数えてみる。痛いところも、これまでは痛まずに働いてくれたんですから、「これまでありがとね。お世話になってたのに、気が付かなくて済まなかったね」と、お礼やお詫びを言う。そういう考え方が大切ではないかと思います。
 奥さんの率直なご指摘、厳しいですね。でも、ありがたいですね。良い見方、考え方、話し方を鍛えてくださってるんですから。昔から妻のことを「かみさん」と言うじゃないですか。本当にこれは、神様のご指摘かもしれませんよ。だとすれば、奥さんに認めてもらえる自分になることは、人生の大目標にしてもいいくらいに、値打ちのあることだと思うんですよね。
 いや、これは、私自身に言い聞かせながらしゃべっているんです。お互い、頑張りましょう。

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