●シリーズ「あなたへの手紙」
第2回「教会は何をしている所?/他人の言葉に敏感」
金光教放送センター
おはようございます。香川県多度津教会の玉城真紀子です。
今朝はまず、50代女性の方からの質問です。
「私の家の近くに、金光教の教会があります。人が出入りしている様子を見掛けますが、中で何をされているのか、よく分かりません。教会では何をされているのですか?」
このようなお尋ねです。
ご質問ありがとうございます。
金光教は、日本国内に約1500、国外に約30の教会がありますが、その1つがあなたの家の近くにあるんですね。
教会には、金光教の教師がいて、訪ねて来られた方一人ひとりの話をじっくりとお伺いしています。そして、その内容を一緒に神様に祈り、神様の願いや金光教の信心に基づいた物事の見方、考え方について話をします。これを取次と言います。
私の教会に、あるご家族が参拝されました。小学校1年生のヒロくんと、そのご両親です。
ヒロくんが自転車に乗りながら友達と遊んでいたら、止まっている車にぶつかってしまったんです。幸いけがはなかったようですが、車に傷を付けてしまいました。怒られたのでしょう。ヒロくんはうなだれています。お父さんは、車の持ち主との修理代の交渉で苦労した話、お母さんは、あんな場所に車を置いていた方が悪いのではと責任の所在についてばかり話しています。
すると、先生がヒロくんに向かって、「ああ、可哀想になあ。怖かったね。体、痛くはないかな」と優しく声を掛けました。そして両親に向かって、こう言ったんです。「動いている車だったら、大変なことになっていた。大事に至らずありがたいことです。まず、このことに御礼を申し上げましょう」。そう言われました。
両親はハッとして、我が子を病院に連れていくのさえ忘れていたことに気付かれました。お金や責任のありかよりずっと大切なことがある。無事であった我が子の命、怖い思いをした我が子の気持ち。ご両親は、取次を通して、信心による物事の捉え方に気付いて、心が救われて、人を責める心から感謝の心へと変わったんです。ヒロくんたちご家族は手をつないで、笑顔で帰っていかれました。
金光教の教会は、信者さんだけでなく、他の信仰を持っておられる方、また特に信じている宗教がない方、どなたでもお参りできます。予約なども必要ありません。どんなことでも話していいですよ。教会では、悩みや願い事の相談をいつでもお聞きしています。
次は、30代女性の方からのお悩みです。
「私は他人の言葉にとても敏感で、何気ない言葉でもすぐに傷付いてしまいます。友だちに相談すると、気にしすぎだと言われますが、自分ではどうすることもできません。すぐに傷付く自分が嫌になります。どうしたら良いでしょうか?」
このようなお悩みです。
自分の事が嫌になるなんて、とてもつらいことですね。他の人の言葉に敏感で傷付きやすいのは、あなたが細やかな心の持ち主で、いろいろなことを感じてしまうからなのでしょう。人が感じない大切なことにも気付く、細やかさゆえに深く考えてしまうのかもしれませんね。
私にも、人の視線がとても気になってつらい時がありました。結婚を機に都会から田舎へと移り住んだのですが、ある日、近所で買い物をしていると、「あの人は誰?」と話している声が聞こえます。すると、見知らぬ人が見知らぬ人に私のことを話しています。あいさつも交わしたことのない人が私を知っている。そのことにとっても驚きました。それ以来、人の視線が気になって、外出した時は、誰かに見られているかもしれないと、緊張してドキドキするようになってしまったんです。
それを母に相談すると、母も同じような体験があったそうで、私にこんなアドバイスをしてくれました。「出掛ける時、神様にお願いするの。神様と一緒に出掛けますと。そんな思いになったら、見られることも気にならなくなったわ」。こう母から言われました。
母の言葉を聞いて私の心の向きが変わりました。それまでは、見られていることにばかり気持ちが向いていましたが、お願いして神様と一緒に歩くと、神様が見てくださっているという安心感の方が大きくなりました。そして、そんな気持ちになったら、周りの人たちが、私を知ってくれているのも思いやりなんだと感じられるようになりました。私はこうしてつらい気持ちから助かったんです。
人は皆それぞれ違う個性を持って生まれてきています。あなたの個性も大切に生かしていけるといいですね。あなたには相談するお友だちもおられます。気持ちを聞いてくれる方がいるのも、素晴らしいことです。
もしよければ、一度教会に参拝してお気持ちを話してはいかがですか? 教会の先生に話を聞いてもらうと、物事の見え方が変わってくると思います。私は、信心によって心の向きが変わりました。参拝されると、神様は私たち一人ひとりに幸せになってもらいたいと願ってくださっているんだと感じられるようになりますよ。
どうぞ、お体にも気を付けてください。お祈りしています。