分かろうとしてくれたから


●信者さんのおはなし
「分かろうとしてくれたから」

金光教放送センター


(ナレ)金物の町として有名な兵庫県三木みき市にお住いの藤原和憲ふじわらかずのりさん。藤原さんは、35歳。7年前、家の近くにある金光教三木教会に初めてお参りしました。今では、毎日お参りをしているそうです。なぜ毎日お参りに行くのか聞いてみました。

(藤原)神様にお願いするとか、神社にお参りする時というのは、だいたいお願い事だけで、そういう認識だったんですけれども。以前に、三木教会、教会長が、僕の悩みをお願い事をしに行ってた時にですね、親身になって悩み事を聞いてくれたんですね。僕の気持ちを理解しようとしてくれたんですけれども、まあ、当然、他人の気持ちというか、そういうものは、100パーセント分からない。けれども、それでもなんとかわかろうとしてくれた。その姿勢といいますか。その姿がとても自分の中で印象的で、何があってもそれを教会長が続けてくれたんですね。僕が精神的に病んでた時に、日常生活が取り戻せるようになれるまで、続けてくれたので、何とかそれを乗り越えられたんですけれども、けれども、これは本当に神様の力なのかと。もちろん自分の力はあると思うんですけれども、他に、何か別のものが働いて自分が助かったとは、どうしても思えなかったんですね。まあ、自分も信じられないけれども、それをただ続けることによって、何かわかるものがあるのではないか。見えてくるのがあるのじゃないかと思いまして、それがきっかけで毎日お参りしようと思いました。

(ナレ)神様が信じられない中にも毎日お参りを続けている藤原さん。そんな藤原さんに、お参りして何か良い事があったか、尋ねてみました。

(藤原)以前アルバイトしていたところで、年下の子がですね、さぼったんですね。僕に何も言わずにさぼったもんで、さすがに腹がたってですね、で、上司にそれを報告したんですけれども、じゃあ、ちょうど休憩するくらいにですね、やってきて。で、「言ったんですか?」と。で、まあ、当然ですから、さぼったんで上司に報告したと言ったら、ふてくされたような態度を取ってですね、「そういうことするんやったら向こう言って下さい。」みたいなことを言われまして。切れてんのはこっちやのに、逆切れかよ。と思いまして。それで、どうしても許せない。と。で、教会にお参りしまして教会長と腹が立つことをですね、話しているうちに、僕が小学生の時に、同級生の女の子をいじめていたのを思い出しまして、当時小学校3年生4年生ですから。まあ、遊び半分の感覚でやってたと思うんですけれども、ただ、当時、その女の子が泣いて帰ってきたと、そのお母さんが僕の両親と会う機会があった時に、そういうのを話したらしいんですね。それで、自分が親からそれを聞いたんですけれども、当時、僕はそこまで人を傷つけてるとは思わなかったんですけれども、どんだけその子は辛かったのかな。というのを省みたときに、自分の中で心が痛みまして、教会長と話しているうちに、急に思い出しまして、自分が辛かったり、腹が立っていると、それに怒るだけで、知らず知らずのうちにそういう人に迷惑を掛けたり、人を傷つけたり、自分のわからないところでやってる可能性があるんだと思いました。

(ナレ)腹が立ったことを教会の先生にお話ししているうちに、藤原さんは自分が過去にいじめをしていたことを思い出したのです。それは、一見全く違う出来事のようですが、藤原さんは、「あなたも知らないうちに人を傷付けていることがあるんだぞと、神様がこのことを通して教えてくれた」と仰います。

(藤原)日常生活において腹が立ったりとか、辛い事とか、嫌な事は当然あるんですけれども、そういうのを毎日その日の事をお参りしてですね、教会長に話しているうちにですね、だんだんと色々な物事をですね、なるべく多角的にみようと。いい面も悪い面も。どうしても自分が気に入ったものとか、これはいいなと思ったものは、それしか見えなくて。嫌だなとか腹立ったりとかすると、その部分しか見えないんですね。で、それをもっと違う見方は出来ないものかと。ただ、そんなことを考えること自体、正直面倒くさいのですが毎日お参りするようになって、少しずつではありますが、嫌な面がだんだんいい面も考えられるようになってきました。
実際、毎日お参りしていると、腹が立っている時でも、帰るときには、心が洗われた気分になって、すっきりしているので、その繰り返しだと思うのですけども、これからも、毎日お参りを続けていきたいと思います。

(ナレ)「神様はいろんなことを通して自分の足りないところを教えてくれる。まだまだ分からないことのほうが多いけれど、教会長が私のことを分かろうとしてくれたように、神様のことを分かろうとする努力をしていきたい」  藤原さんは、とても穏やかな表情で、こう話してくれました。

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