●シリーズ「あなたへの手紙」
第4回「①42歳の引きこもりの息子/
②ダウン症の赤ちゃんを妊娠」
金光教放送センター
おはようございます。私は愛知県にあります金光教額田教会の河邉芳美と申します。
最初は、42歳の息子さんを持つお母さんのお悩みです。
「私には、42歳の独身の息子がおり、将来のことを思うと心配で、息子に言っても、『一人のほうが楽だから結婚したくない』と言います。その上、仕事を辞めてしまい、引きこもりになりました。いろいろと言いたくなりますが我慢をしています。私はどう気持ちの折り合いをつけたら良いのでしょうか」
このような内容です。
私にも息子がいますので、お母さんのお気持ちがよく分かります。子どものことを思うといろいろと言いたくなりますが、我慢されているから素晴らしいですね。昨今いろいろな生き方がありますが、親としては、早く結婚してほしいと思うのは、ごく自然なことだと思います。しかし、よくよく考えてみると、子どもがいるからこその悩みかもしれません。神様からお恵みいただいて子どもを持たせていただけたこと、そして息子さんがこれまで42年間、生かされてきたことをお礼申すことが大事だと思います。お母さんがあれこれ悩んでも苦しいだけでつらいですよね。それならば、一度神様におすがりして、お願いしてみてはどうでしょうか。
私の知り合いで、女の子2人のお子さんを持つお母さんがおられるんですが、上の女の子が、ある時期から万引きや、いろんな悪いことをするようになりました。その度に親が呼び出されるということが何度もあったそうです。そのことを教会の先生に相談し、一心に神様におすがりしていきました。すると、ある日、その女の子が、「私は一体今まで何をしていたのだろう」という思いがふと心に湧き起こり、その後改心したそうです。神様へ一心にお祈りしたことで、お母さんの思いがお子さんに伝わったのだと思います。
息子さんが、会社を辞めて引きこもりがちなのも、会社で何かあったのかもしれませんね。勤めていた会社を辞めたのですから、余程のことがあったのだと思います。今は引きこもりに見えますが、息子さんの心を整える、次のための充電期間かもしれません。今まで働かせていただけたことを感謝して、見守ってあげてください。喜ぶ心に神様は道を付けてくださいます。よかったらお近くの教会を訪ねてみませんか。そして、息子さんのことを陰ながらそっと祈ってあげてください。きっと息子さんにとって良いように神様がしてくださいます。
次に、お子さんの出産に不安を感じている妊婦さんからの相談です。
「私は36歳の妊婦です。羊水検査の結果、ダウン症と診断されました。産みたい気持ちはありますが、育てる自信がありません。せっかく授かった命を粗末にしていいものかと悩んでいます」
このような内容です。
色々と思うところがあると思いますが、まずは妊娠おめでとうございます。初めてのお子さんでしょうか。初めてのお子さんでしたら、ただでさえお産が未知の世界で心配な上に、さらに不安でいっぱいだと思います。
実は、私の子どもも16年前、羊水検査でダウン症だと分かり、産むか産まないかの決断を求められたので、あなたの気持ちはよく分かります。私が妊娠4カ月の時に、「胎児の首が太いので羊水検査を」と言われ、大変ショックを受けました。そして、何とかうちに帰り玄関に入ると、金光教の教えが書かれた日めくりカレンダーが目に入りました。そこには、「子を産むはわが力で産むとは思うな。みな親神のめぐむところぞ」と書かれていました。特に「みな親神のめぐむところぞ」の言葉が目に飛び込んできました。みな親神のめぐむところ、みな神様から命を頂いた子どもなんだと改めて思い直し、動転した心を取り戻しました。そして、神様から頂いた命ということ、堕ろしてはかわいそう、この子もこの世に産まれてきたほうが幸せだろうという思いと、この子をとおして私の心も神様にお育てを頂きたい、また家族の絆が深まることも願って産む決心をし、出産をしました。
私たち人間は、神様から体を頂き、神様の心を頂いて生まれてきます。そして、神様から食物を頂いて、生かされているのです。みんな神様から命を授かっているのです。神様からお恵みを頂かなければ、子どもは授かりません。中には、いろいろな理由でやむなく諦める方もおられますが、あなたは産みたい気持ちがあり、せっかく授かった命を粗末にしていいものかという戸惑いには、かわいそうという気持ちがあると思います。そのかわいそうという心が、神様の心です。そのような心を持つあなたは、きっと素敵なお母さんになれますよ。大丈夫です。神様におすがりしながらお子さんのお世話をされてはどうですか。
ダウン症は、発達がゆっくりですが、穏やかでほほ笑んでいるように見えることから、「エンジェル」とも言われているんですよ。うちの子は天真らんまんで人懐っこく、誰とでも友達になり、ダンスが大好きで、音楽が流れると突如踊り出して、その場が和んで笑いが絶えませんでした。そして、この子のおかげで、健常児の長男の時には見えなかった世界を神様から見せていただいたようで、視野が広がりました。
産まれてくるお子さんと共に、焦らずゆっくりお育てを頂きませんか。