桃太郎のような元気な赤ちゃん



●信心ライブ
「桃太郎のような元気な赤ちゃん」

金光教放送センター



(ナレ)おはようございます。
 今日は、熊本県・金光教苓北れいほく教会にお参りする辻本つじもときくさんが、令和元年12月、金光教本部でお話しされたものをお聞きいただきます。辻本さんは東京の大学に進み、そこでご主人と出会います。

(辻本)夫との出会いは、大学時代に所属していた部活動です。勉強家で素直な性格の夫に引かれ、私が大学を卒業して社会人2年目の2016年に結婚のおかげを頂きました。新しい町に引っ越し、私たちはとても充実した日々を送っていました。
 結婚してからしばらくが経ち、私は何となく子どものいる将来を考えるようになりました。その頃は、子どもはそのうち授かるだろうと考えていました。しかし、その頃から体調不良が続くようになり、2017年の春に病院で検査を受けることにしました。
 検査の結果はショッキングなもので、「このままでは自然に妊娠するのは難しい」と言われました。治療をするよう勧められましたが、あまりに急な展開に私はショックで言葉も出ず、「また考えてから来ます」と言って、逃げるように病院を後にしました。
 家に帰って夫に話すと、「治療したい時に治療したらいいよ。治療したくなかったら二人でいよう」と言ってくれました。その言葉に慰められて、私は時節を待とうと思いました。それと同時に、神様は私に何か気付いてほしいことがあるのだとも思い始めました。
 しかし、時間が経つと、私の心の中に焦りや不安な気持ちが広がり始めます。今までは何も思わなかったのに、町で小さな子ども連れの家族を見ると、自分の悩みを思い出すようになりました。しまいには、身近な人のおめでたい報告にも喜べない程、自分の心が小さくなってしまっていました。そんな私を、夫は激ますわけでもなく、叱り付けるわけでもなく、ただ黙って見守ってくれていました。
 一日一日神様にお願いし、少し前を向いては後戻りするのを繰り返していました。どうにかしてこの状況を改善したいと思っていたところに、子育て中の先輩から、「赤ちゃんを見にこないか」と誘われたのです。正直、全く気が進みませんでしたが、神様が会わせてくださると思って、思い切って行ってみました。それが大正解でした。赤ちゃんを前にすると、そのかわいさに、私が今悩んでいることがどうでもいいことのように思えてきました。
 その時からです。「いつか私にもこんな生活が来るから、その時を楽しみにしないといけない。まずは今の生活を大切にしないといけない」と思うようになりました。

(ナレ)辻本さんが、先輩の赤ちゃんを見にいった同じ頃です。教会の先生が、ある人のお話を紹介してくれました。それは、自分の体に「ありがとう」と感謝の言葉をかけ続けて、病気が快復された方のお話でした。

(辻本)自分を支えてくれている体に感謝し、感謝の言葉をかけ続けたことで、体の持つ無限の可能性を開花させていったという話を聞いて、私はだんだんと元気が出てきました。「自分の体に本気で感謝しよう。私も同じような実践がしたい」と思い、いつもはボーッとしていた通勤時間を、「ありがとう」と唱える時間に変えてみました。すると、少しずつ心のモヤモヤが晴れていき、自分の表情が明るく変わっていることに気が付きました。最初は形だけで唱えていたのが、だんだんと自分の気持ちになってきました。
 2018年の4月中旬、交差点で信号待ちをしていた時のことです。半分に割れた桃から赤ちゃんが飛び出しているイラストが大きく描かれたトラックが、目の前を通り過ぎていきました。それを見た時に、神様から「あなたの願いは忘れていないよ」と言ってもらえた気がして、うれしくてありがたくて涙が出てきました。
 さらにその2週間後のことです。知り合いから連絡と一緒に写真が何枚か届きました。その中の1枚に、2週間前に見た桃太郎そっくりの置物の写真がありました。それを見た時に、「これはやっぱり神様のお知らせなのか」と思うと、その日は緊張して眠りに就けませんでした。
 そしてその後、神様がついに私の願いをかなえてくださいました。願ってやまなかった子宝を授かったのです。それを知った時、私はうれしくてありがたくて、神様にお礼を言いながら涙があふれ出てきました。
 この経験を頂くまで私は、子宝を授かるということを簡単に考えていました。そしてなかなか願いがかなわず、自分の願いにがんじがらめになってしまっていたのですが、その中で同じ悩みを抱える人の痛みについても知ることができました。そうして、今を大切に体に感謝して生きることの大切さを、少しずつ学んでいきました。
 2018年の12月13日、無事に出産のおかげを頂きました。桃太郎の知らせどおり、元気な男の赤ちゃんでした。

(ナレ)いかがでしたか。
 辻本さんは、自分が苦しい時、気持ちを神様に向けたことで、心の向きが良いほうへ変わっていきました。そして、体に感謝することで、心も晴れやかになりました。
 私たちは、悩みがあると、どうしてもそれにとらわれがちになりますが、神様に一心におすがりすることで、神様が導いてくださいます。気付きを得たり、心を良いほうに切り替えてくださいます。
 皆さんもつらい時、困った時、神様にお願いしてみてはいかがでしょうか。

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