シリーズ「あなたへの手紙」第2回「①神様にお願いしたのに良い点が取れない/②死んだらどこに行くの?」


●あなたへの手紙
第2回「①神様にお願いしたのに良い点が取れない/②死んだらどこに行くの?」

金光教放送センター


 

 おはようございます。兵庫県にあります金光教三木みき教会の片島斎弘かたしままさひろです。よろしくお願いします。
 中学1年生、ひかる君からのご質問です。
「中学校に入り、最初の実力テストがあったので、お参りして神様にお願いしたのに、良い点が取れませんでした。どうしてですか?」
 このようなお尋ねです。

 せっかく神様にお願いしに行ったのに、テストの点数が悪かったとのこと。分かります。すごく分かります。私にも同じような経験があります。その時は「神様にお願いしても意味がない」って思いましたね。それでもなぜか、テストがあるたびに近くの金光教の教会にお参りして、お願いしていました。
 そんなある時、いつもは悪い点数ばかりなのに、たまたまいい点数が取れたことがあったんですね。その時も、いつものように教会に行って、教会の先生とお話ししてからテストに挑んだんですが、テストが思う以上にできたもんだからうれしくて、それを教会の先生に報告しに、もう一度お参りしたんです。すると、満面の笑みで、「本当によく頑張ったね」と言ってくれたんです。そして先生はその後、ご神前に向かって座り直し「ありがとうございました。テストを受けることができ、頑張った実力を発揮することができました。ありがとうございます」。そう声に出して神様にお礼を言ってくれました。その時の言葉が私には衝撃的で、「あっ、そうか、テストで点を取るには、まず元気に学校に行かないといけないし、勉強を頑張るやる気もいる。神様はテストの点数が良い悪い関係なく、サポートしてくれていたんだ」。そんなふうに思えたんです。
 金光教の教祖は、「神様は氏子の親神おやがみである」と伝えています。神様を親と表現しています。私も3人の子どもの親ですが、子どもの幸せのためなら、どんな事でもしてあげたくなります。すがられると何とかしてあげたくなるんです。それと同じ心なのが神様なんです。
 ひかる君、テストもそうだけど、誰でも生きていく中で、思い通りに行く時と、行かない時があると思います。思い通りにいかないと悔しいけれど、ここで言いたいのは、神様はお願いされると、何とかしてあげたくなるということ。思い通りにならなかった時も、ひかる君の幸せや、お願い事が叶うために最善を尽くしてくれているということです。だからこれからも、いろいろな問題があると思うけれど、どんなことでも神様にお願いして、チャレンジしていってくださいね。必ずそばで神様が応援してくれますからね。私もひかる君のこれからを応援しています。

 次に35歳女性からこんな質問を頂きました。
「7歳になる息子は、好奇心旺盛で、気になったことは『なんで?どうして?』と尋ねてきます。先日、近所のお友達のお父さんが、急に亡くなってしまった時に、『人は死んだらどこに行くの?』と尋ねてきました。金光教ではどういうふうに考えておられますか?」
 このようなお尋ねです。

 息子さんにとって、お友達のお父さんの死というのは、身近なところでもあり、衝撃的だったんでしょうね。私も幼い頃、お世話になった人が死んで、「もしかしたら、お父さん、お母さんも死んでしまうかもしれない」と不安になって、「お父さん、お母さん、死なないよね」って何度も確認したことを覚えています。
 さて、人は死んだらどこへ行くのかという質問ですが、金光教では人は死んだら姿形が無くなるだけで、この天と地の間で、姿形を変えて私たちを守ってくれていると教えられています。
 「本当に?」と思うかもしれませんが、先日こんなことがあったんです。彌生やよいさんという60代の女性が、両親を亡くされた後、両親の住んでいた家を取り壊すことになったので、家のお祓いをしてほしいと頼みに来られました。というのも、彌生さんには心配なことがあったんです。それは、その家の庭に、石で作られた土地を守る神様が祀ってあって、それをどう処分したらいいか分からないとのことでした。石屋さんに相談したら石屋さんは、お祓いをした後、石を砕いて土に埋めると言われたそうです。それを聞いた彌生さんは、「神様の石を砕いて埋めるなんて、ばちが当たるんではないか」と心配されていました。私は、「お祓いの御神事も丁寧にさせていただくし、絶対に大丈夫だから安心して」と言葉を尽くして話すのですが、やはり不安なようでした。
 それが、御神事ごしんじをする前日、彌生さんが不思議な夢を見たと、目を輝かせて教会に来られたんです。彌生さんの両親が初めて夢に出てきて、お父様が石の前に立って、「大丈夫やで」と彌生さんに声を掛け、そのそばでお母さんの明るい笑い声が響き渡っていた、そんな夢だったそうです。彌生さんは、「両親が二人して私の不安を取り除こうとしてくれたんだと思いました。これで安心できました」。そう涙を流して話してくれました。
 亡くなるというのはとても悲しい事です。でも、亡くなっても、姿形は見えないけれど、こうやって子どもの事を祈り、あらゆる手を使って私たちを見守り助けてくれているんだと私は信じています。
 お尋ねありがとうございました。

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