神さん助けて下さい


●信心ライブ
「神さん助けて下さい」

金光教放送センター


(ナレ)おはようございます。今日は兵庫県布引ぬのびき教会・矢野正やのただずさんのお話を聞いていただきます。
 ある日、布引教会に70代の女性がお参りになり、「知り合いが亡くなってお葬式に行けなかったので、お墓参りに行ってきます」、こう言って出て行かれたそうです。ところが、この女性、墓地の場所は知っていても、その中のどこにお墓があるのかを知らなかったそうです。矢野さんは心配しながら無事を願って待っていました。しばらくして、その方が帰って来られました。

(矢野)「お墓の場所分かったんですか?」って聞くと、「いや、分かりませんでした」って言われますねん。「墓園事務所にでも行ったんですか?」って聞くと、「いいえ」って言われますねん。「どうされたんですか?」って尋ねたらね、入り口に立って、「金光様、誰それさん」誰それさんっていうのは亡くなられた方の名前ね。「金光様金光様、誰それさん、どこですか?」と言うて祈ったって言いますねん。そうすると、「こっちこっちっていう声がした」って言いますねん。誰もいませんよ。「こっちこっちっていう声がしたから、そちらのほうへ行きました」と言われる。行って、キョロキョロと見て、何もありませんから、もう一度お祈りしましたら、また、「こっちこっち」っていう声がしたって言うんです。3度ほどそういうふうになさって、それからキョロキョロって見たら、お墓があったんやね。それで、拝んで帰ってきましたっていうことをおっしゃいました。
 そんなことがあるんかなと思いました。

(ナレ)それからしばらくたって、矢野さんは、ある研修会の下見に、40分バスに乗って、山に登りました。下見がすみ、帰ろうとバスの時刻表を見ると、なんと3時間待ち。そこで3時間待つか、歩いて下りようか迷いましたが、3時間かけても、歩いて下りることに決めました。

(矢野)でも、来た道を下りようか。それとも、向こうの道に行こうか。どうしようかと思った時に、「こっちこっち」って言うたおばあさんのことを思い出しまして。だから私もそこで「どちらに参りましょうか」と祈りました。風で木々がさやさや揺れる音やら、鳥の鳴き声が聞こえますけどもね。「こっちこっち」なんか言うてくれへん。何にも聞こえへんがな。「生神金光大神様、天地金乃神様どちらへ参りましょうか」と、こう祈っておりましたら、来た道と反対側からね、ランニングをされるおじさんが走ってこられまして。「こんな所にランニングしてる人おるんやな」と思って。あっ、この方に聞こうと思ってね。「すいません。駅に行きたいんですけど」。そしたら、来たほうと反対側を指して、「こっちに行きなさい」って言われるんです。「あっ、そうですか」「こっちにずっと歩いて行ったら墓園があるから。その墓園に入りなさい。墓園の中に入ったらね。下へ下りていく道がありますから。そこを下りて行きなさい」って言われるんですね。「下りて行ったらね、あーなってこーなって」って言いはるんやけど、全部覚えられませんでしょ? まあ、まっすぐ行って墓地があって、真ん中の道を下りていったら下に下りれるんやな、と思って、「ありがとうございました」って言ったら、そのおじさんは走って行かれまして。僕はその方に言われたとおりに、ずーっと道を歩いて行って、そしたら、墓園が本当にありましてね。じゃあ、ここ下りて行ったらいいんかなと思って、そこまたずっと下りて行きました。ずっと下りて行きましたらね、分かれ道に出ました。えっ、と思いましたわ。真ん中の道と右の道と左の道とが出てきましたんやな。それで、困りました。困って、どうしようか。祈りますわね。「神様、どちらに参りましょうか」って祈りました。そしたらふっと「左」って思ったんですね。あっ、左って思ったな。そしたら左に行こうかと思ったんですけど、いや、念のために、もう一回ちゃんと祈ろうと思って、また一生懸命祈ったらね、今度は「右」って思ったんやな。最初は左って思ったんです。次も左って思ったら、左に行っとったんですけどね。次は右って思ってしまったから、困ったね、本当に困りました。どうしようと思って。「僕はどうしましょう」と思って、「助けてください」って言うて祈ってましたんや。祈ってましたら、道の端のところにおうちがあってね、人が出てきますねん。ご婦人が。「あっ、人が出てきたな」と思って。ああ、この方に聞こうと思って。「すいません。駅に行きたいんですけど」「あっ、駅ですか? 真ん中の道」って言われまして。「えっ、真ん中ですか? この細い道を行きますのん?」「そう真ん中ですよ」。危ないところですわ。「ああ、そうですか。下りて行ったら、駅に着くんですか?」「いや、そういうわけにいけへんのやけどな。坂をずっと下りて行くでしょ。平たんになってきますから、平たんになってきたらまたちょっと左に行かないといけませんねん。まあ下りて行ったら分かりますわ」と言われて。「ありがとうございました」と言って下りて行きました。
 平たんになってきたら、左に行く道があるんですけど。何本か道があるからね。どの道かしらん、と思って歩いておりましたら、前からほっと人が出てきたんです。聞いとこうかと思って。「あの、駅に行きたいんですけど」って言ったら、「あんたこっち行ったらあかんよ。あそこの道を下りなさい」って、もう通り過ぎてた道を言われてね。その通りにして、駅に出ました。
 お墓に行かれた女性はね、祈ったら「こっちこっち」っていう声が聞こえたんやな。僕の場合はそういう声が聞こえませんねん。聞こえませんねんけど、「人」を差し向けてくださったんやね、僕の場合は。人によって違うということですわな。「こっちこっち」って聞こえんからあかんということでもないんやな。真剣に本気で祈ったら、何とかして教えてやろうというようなことになるんですわな。

(ナレ)いかがでしたか?
 金光教の教祖の教えに「神へ何んでも願え。神は頼まれるのが役である」とあります。私はこのお話を聞いて、どんなささいな事でもお願いして良いんだ。そして、お願いすると、神様があの手この手を使って、その人に合ったように道を付けてくれるんだと、神様を身近に感じ、心強く思いました。

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