●あなたへの手紙
第3回「①結婚式をしない娘/②コロナ禍と物価上昇で閉店」
金光教放送センター
おはようございます。私は愛知県、金光教額田教会の河邉芳美と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
最初は、50歳主婦の方から、娘さんの結婚についてのお悩みです。
「私には27歳になる娘がおり、娘は5年程お付き合いしている彼と近々結婚すると言っています。私も気に入っている好青年なので、結婚すること自体は大賛成なのですが、娘は『ドレスを着て写真は撮りたいが、お金をかけてまで式を挙げるつもりはない』と言うのです。私としては、内々だけでも結婚式をと思い、また主人もケジメだと思っているようです。それを娘に言うのは押し付けになるでしょうか」
と、このような内容です。
それは、ご結婚おめでとうございます。良い方とご縁があり、ありがたいですね。
お相手と5年もお付き合いしたなら、もしかしたら娘さんは実質夫婦という感覚なのかも知れませんね。今さら結婚式に大切なお金を使うよりは、これからの生活に回したいと、堅実な考えをお持ちなんだろうと思います。
その一方で、親としては、結婚を軽く考えていないだろうかと心配になるんですよね。実は私にも、娘さんと同じ年の息子がいて、私も結婚について似たような問題を抱えていたので、あなたのお気持ちはよく分かります。
私の息子は昨年結婚したのですが、息子たちは金光教の教会にお参りして先生に結婚の報告をしたそうです。すると先生はとても喜んでくださり、息子たちと一緒に神様に祈りを捧げてくださったといいます。
でも私は、息子の報告を聞いても、それだけでは不十分なように感じていました。息子が生まれてから今日まで、どれほどに神様のおかげを受けてきたか、この結婚も神様から頂いたご縁ではないか。そう思うと、改めて結婚式を挙げて、神様に丁寧にお礼を申し上げてほしいと思ったんです。
そこで私たちは、親子でじっくり話し合いました。結局は息子の希望に添うことになりましたが、あの話し合いはとても貴重な時間だったと思います。私の願いを伝えることができ、また、息子は息子なりにいろいろな考えがあり教会にお参りしたのだということも分かりました。今は、あの参拝こそが息子たちの結婚式であり、彼らとしてのけじめだったのだと、私は受け止めています。そして、今、私のできる事として、神様に、2人が健康で仲良く暮らせている事のお礼と、両家が仲良くできるようにとお願いをしています。
結婚式の形は、いろいろあっていいのではないでしょうか。むしろ、親子や夫婦が、わだかまりなく話し合える間柄になっていくことのほうがずっと大切に思うんです。お互いに気持ちを通い合わし、娘さんのご結婚を心からお祝いできますことをお祈りいたします。
次に、ラーメン店を営んでいる46歳の男性からです。
「私は、ラーメン店のオーナー店長をしています。自分で店舗の立ち上げをし、20年にわたって店を切り盛りしてきましたが、コロナや昨今の物価の値上がりから資金繰りが苦しくなり、閉店することにしました。常連さんからは『やめないで』と言われていますが、『自分にもっと力があれば』と落ち込み、閉店までやる気が保てません。どうしたらよいでしょうか」
というお悩みです。
それは、大変でしたね。大きな世の中の流れにはあらがえず、ここで見切りをつけたほうが損害は小さくて済むと、身を切られるような思いで閉店を決断されたんでしょう。ご自身で立ち上げ、育ててきたお店であれば、わが子も同然ですよね。悔しさや寂しさで、さぞかしお力落としのことと思います。
でも「自分にもっと力があれば」なんて、ご自分を責めないでください。20年もの間、辛抱に辛抱を重ねて、山も谷も乗り越えて来られたんじゃないですか。お客さんに喜んでもらいたい一心で、ラーメンの一杯一杯を精魂込めて作ってこられたんでしょう。だから常連さんもでき、うれしいことに「やめないで」と言ってくださる。ありがたいですね。
そして、ここまで頑張ることができたのは、そういうお客さんたちが、あなたの店を選んで支えてくださったこと、ご家族の理解と協力があって元気に働けたこと、仕入れ先の方々にもお世話になってきたこと、それらがあってのことでしょう。多くの方々にお世話になって今日があると思うんです。皆さんのおかげですよね。また、苦労を共にしてきたお店にもこれまでの感謝をすることも大事だと思うんです。そのことを、じっと思い返してみてください。
閉店までの間は、せめてもの恩返しをする大切な期間だと思ってみませんか。お客さんの喜ぶ顔を見ると、あなたも幸せを感じるのではないでしょうか。今後の生活も心配でしょうけれど、今から閉店までの働き方が、後々の人生にも大きく響いてくるように思います。
そうはいっても、心というものは、なかなか自分の自由にならないものですよね。頭では分かっていても、いろんな思いが入り混じり、モヤモヤしてやる気が出ない。そういうこともよくあるものです。どうしても心が前向きにならないようであれば、そのモヤモヤした気持ちを吐き出しに金光教の教会を訪ねてみてはどうでしょう。教会ではそういう悩みを聞いてくれます。そして、心をすっきり整えるお手伝いをしてもらえますよ。思い切ってお近くの教会を訪ねてみませんか。